就活を進めていく中で、「就活の軸を決めなきゃだめだよ」という言葉を耳にした人も多いのではないでしょうか。
就活の軸は選考を突破するためだけではなく、自分が納得のいくキャリアを選ぶ上でも重要です。しかし、しっくりくる就活の軸を見つけられず、悩んでしまう学生さんもたくさんいます。
そこで本記事では、就活の軸の決め方を1から丁寧に解説します。志望動機との違いは?ESで聞かれたときの答え方は?など、みなさんの疑問にお答えする内容になっているので、ぜひ最後まで読んでみてください!
こんな人に読んでほしい
- そもそも就活の軸とは何か知りたい方
- 納得感のある就活の軸を決められない方
- 就活の軸の具体例を知りたい方
- 面接やESなどで就活の軸を聞かれたときの答え方を知りたい方
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就活の軸って何?
就活の軸とは、業務内容や福利厚生など、働く上で重視する条件を意味します。
みなさんも就活を進めていく中で感じていると思いますが、世の中には本当にたくさんの企業があります。数ある企業から行きたい就職先を絞っていくためには、「これだけは譲れない」という条件が必要です。
その条件のことを「就活の軸」と呼んでいます。
自分に合った企業を見つけるためのもの
就活の軸を明確にすることで、学生は数ある企業の中から志望先を絞りやすくなります。一方、企業としては、就活の軸を聞くことで学生が本当に自社に合っているのかどうかを判断することができます。
このように、就活の軸は企業と就活生のミスマッチを防き、自分に合った企業を見つける上で役に立つのです。
志望動機とはレイヤーが違う
では、就活の軸と志望動機は何が異なるのでしょうか?本記事を読んでいる学生さんの中にも「志望動機はもう考えたし、就活の軸って本当に必要なの?」と疑問に感じている方もいると思います。
結論から述べると、就活の軸と志望動機はレイヤー(層)が違います。以下の図を見てください。
例えば、「グローバルに活躍したい」という就活の軸を定めたとします。この軸に当てはまる仕事は、商社やバイヤーなど様々です。その中でも特に商社に行きたい理由、さらに商社の中でも〇〇商事でなければならない理由が上層に位置します。
就活の軸→業界の志望理由→企業の志望理由の順で、選択肢が狭くなっていくイメージです。
就活の軸→志望動機の順で考えよう
以上で説明したように、就活の軸は志望動機を考える土台となります。そのため、まず就活の軸を固め、その後で志望動機を言語化していった方が考えやすいです。
逆に、就活の軸が定まっていない状態で志望動機を書いてしまうと、どうしてもフワッとした内容になってしまいます。
志望動機は既に作ったという人も、就活の軸はきちんと考えましょう。明確な就活の軸があることで、面接で志望動機を深掘りされても落ち着いて答えることができます。
【具体例】就活の軸の3つのパターン
ここまでの内容で、就活の軸とは何か分かってきたのではないでしょうか?
続いては、実際にどのような就活の軸があるのかを見ていきましょう。具体例を参考にすることで、自分の就活の軸を考えやすくなります。
やりがい
みなさんはどんなときにやりがいを感じますか?同じタスクに取り組んでいたとしても、どの部分にやりがいを感じるかは人それぞれです。
例えば、勉強をするにしても、自分の知識が増えていくこと自体に喜びを感じる人もいますし、テストで良い結果を残して他人から認められることを心の支えにしている人もいます。
自分がやりがいを感じるポイントを振り返り、そこから就活の軸を作ってみましょう。
やりがいを基にした就活の軸の例は、以下の通りです。
- お客様から直接感謝の言葉をもらいたい
- 常に自己成長を実感しながら働きたい
- チームで成果を残したい
- 若いうちから責任のある立場につきたい
- 社会課題の解決に貢献したい
- 人々の生活を便利にしたい
- 新しいことに次々と挑戦したい
- 数値的な結果を残したい
- 働きながら知識を増やしたい
- 規模の大きなプロジェクトに関わりたい
働き方
会社選びの条件を考えたとき、福利厚生や残業時間など働き方の面が真っ先に思い浮かぶ人も多いのではないでしょうか?
働き方は、ESや面接で説明するのはふさわしくない場合もあります。しかし、自分らしいキャリアを歩む上では非常に重要な要素です。
理想の働き方を考える場合は、なるべく具体化しましょう。例えば、「ホワイト企業で働きたい」と考えている方は多いと思います。ここから一歩進んで「自分にとってのホワイト企業は何か」を考えなければ、ぼんやりとした軸になってしまいます。
働き方を基にした就活の軸は、以下のようなものがあります。
- 残業時間は40時間までに抑えたい
- 土日は必ず休みたい
- 1年に1度はまとまった休暇をとりたい
- 東京で働きたい
- 海外で働きたい
- 副業がしたい
適性
「向いていることを仕事にしたい」と考えている人も多いと思います。この場合、自分の能力を生かすことだけが目的になってしまわないように注意しましょう。
みなさんも「リスキリング」という言葉を耳にしたことがあるのではないでしょうか?リスキリングとは、DXやAIの進歩など日々変化していく環境に適応するために、新しいスキルを学ぶことを意味します。
今この言葉がトレンドになっているように、仕事で求められる能力は常に変化していきます。そのため、自分の能力を生かすこと自体をゴールにするというよりは、自分の能力によって誰にどんな影響を与えたいかも合わせて考えるようにしましょう。
適性を基にした就活の軸の例文は、以下の通りです。
- 学んできた専門分野を生かして〇〇がしたい
- 留学の経験を生かして〇〇がしたい
- プログラミングのスキルを生かして〇〇がしたい
- 自分の強みを生かして〇〇がしたい
ここでいう強みにはどのようなことが書けるのか知りたい方は、こちらの記事を合わせて確認してみてください。
就活の軸の決め方は?
就活の軸にはどのようなものがあるのか分かったところで、ここからは就活の軸の決め方を説明していきます。
就活の軸を決めるためには、自己理解と社会理解の両方を進める必要があります。自己理解は「自分にとって重要なこと」を見極めるため、社会理解は「企業にとって重要なこと」を知るために行います。
先ほど述べた通り、就活の軸は学生と企業のミスマッチをなくすためにあります。つまり、「自分にとって重要なこと」と「企業にとって重要なこと」の2つが重なるところに、就活の軸があるのです。
自己理解
自己理解を進めるためにおすすめのやり方は、3つあります。
モチベーショングラフとは、自分の過去の出来事をグラフで表したものです。横軸に年齢を入れ、縦軸にモチベーションの波を記入していきます。
「小学生の頃は楽しかったな」「高校生時代は黒歴史かも」など、これまでの人生を振り返り、そのときなぜそのような感情になったのかを記入していきます。
モチベーショングラフを書くことで、自分のモチベーションの揺れ動きを客観的に見つめ直すことができます。その結果、モチベーションを維持するための条件が明確になるのです。
他己分析では、家族や友人など他人から見た自分の印象を聞き出します。他己分析をすることで、自分自身では見えていなかった無意識の個性に気付くことができます。
シンプルに「私の強みってなんだと思う?」と聞くのもありですが、より詳細な他己分析がしたい場合は「ジョハリの窓」という手法がおすすめです。
ジョハリの窓では、自分の性格を次の4つに分類します。
- 開放の窓…自分も他人も知っている
- 秘密の窓…自分だけが知っている
- 盲点の窓…他人だけが知っている
- 未知の窓…自分も他人も知らない
ジョハリの窓は複数人で行います。メンバー間で紙を回し、それぞれの印象を記入します。自分の印象が書かれた紙を見比べて意外に思うものがあれば、書いた本人になぜそう思うのか聞いてみましょう。そうすることで、自分では気付かなかった自分の個性を発見できるのです。
今、流行っているMBTI診断。やったことがある方も多いのではないでしょうか?このMBTI診断の結果は、自己理解に生かすことができます。
MBTI診断とは、質問への回答によってその人の性格を16タイプのパーソナリティに分類する性格検査です。
自己分析をしていると、考えすぎて逆に自分のことがよく分からなくなってしまう場合があります。そんなときは、MBTI診断のような客観的な指標を参考にすることがおすすめです。
社会理解
続いては、社会理解の進め方をみていきましょう。おすすめのやり方は3つあります。
ほぼ全ての企業が就活生に向けて企業説明会を実施しています。まずはそういった説明会に参加するのが、社会理解を進めるための第一歩です。
企業説明会では、業務内容や求める人物像、社風や福利厚生について網羅的に解説してくれます。ただ漫然と参加するのではなく、感想をまとめたメモを残しておくと後から振り返るのに役立ちます。
OB・OG訪問とは、その企業で働いている人に話を聞きに行くことをいいます。
OB・OG訪問は、企業説明会よりもリアルな声が聞けるというメリットがあります。仕事をする中で最も嬉しかったこと・大変だったこと、入社前と入社後のギャップなど、その人だからこそ話せるエピソードを聞き出すといいでしょう。
OB・OGの探し方は次の通りです。
- 大学のキャリアセンターで紹介してもらう
- OB・OG訪問用アプリを使う
- 知り合いのつてをたどる
社会理解を深めるためには、インターンに参加することも有効です。インターンには短期と長期の2種類がありますが、より深い社会理解をするためには長期インターンがおすすめです。
学生時代はサークルとアルバイトしかしていなかったので、限られた経験から将来のキャリアを考えることに難しさを感じているという就活生は多いと思います。
長期インターンのメリットは、学生の立場で実務経験を積めるということです。ビジネスの現場で社会人とともに働くことで、その業界・職種で求められる能力やマインドを身をもって知ることができます。
長期インターンに興味を持ったら、まずは「ココシロインターン」のキャリアアドバイザーと面談してみるのがおすすめです。面談を通して、自分では言語化しにくいキャリア観の言語化をサポートしてもらったり、自分に合った求人を紹介してもらうことができます。
就活の軸で行き詰まりを感じている方は、まずは面談に申し込んでみてはいかがでしょうか?
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【業界別】就活の軸の具体例一覧
本記事を読んでいる方の中には、行きたい業界が既にある方もいると思います。その場合、「なぜその業界に惹かれるのか」を深堀りしていくと、企業選びの条件が明確になるかもしれません。
ここからは、業界ごとの就活の軸の具体例を紹介していきます。就活の軸の具体例を知ることで、その業界が気になっている理由が見えてくるでしょう。また、今まで興味がなかった業界でも実は自分の軸に当てはまっていることを発見できるかもしれません。
コンサル
コンサルは、顧客の課題を解決する戦略を考える仕事をしています。顧客は法人、行政機関、個人など様々です。また、解決する課題の内容によって、経営コンサル・ITコンサル・人事コンサルなどに分類されます。
コンサルはプロジェクト単位で仕事をします。顧客からの依頼があると、依頼内容に対して最適なチームが編成され、課題への解決策が決まった段階でチームは解散します。そして、それぞれまた別のプロジェクトに加わるのです。
そのため、1つの分野の専門性を深めていくというよりは、様々な領域のプロジェクトに携われることも大きな魅力です。
- 論理的思考力を生かして企業の課題を解決したい
- 様々な業界のプロジェクトに関わりたい
- 将来的に独立したい
商社
商社は企業と企業の「仲介役」を務め、国境を越えた流通を支えています。あらゆる商材を扱う総合商社と、エネルギーや食品など特定の商材を扱う専門商社に分類されます。
メーカーのように自社製品を持たない分、商社の価値は長年にわたって築き上げてきた豊富な情報網や人脈にあります。立場も国籍も異なる様々なステークホルダーと協働し、新しい繋がりを生み出していく仕事だといえるでしょう。
- 日本のプレゼンスを高めたい
- 人と人のネットワークを構築したい
- 語学力を生かして海外で働きたい
金融
金融は「無形商材」といって、物質的な形のない商品を売る仕事です。
例えば、顧客としては三菱銀行からお金を借りても、三井住友銀行からお金を借りても、そこに大きな違いはありません。保険や証券についても同じことがいえます。
その中でも特定の会社と取引をするのは、営業担当や窓口担当の対応の質に依るところが大きいです。お客様の信頼を得ることが結果につながりやすいのも、金融業界の特徴です。
- 顧客と深い関係性を築きたい
- 経営層を顧客とすることで成長したい
- 地域経済の発展に貢献したい
IT
技術の力で一般消費者や法人の課題を解決するのが、IT業界の仕事です。
ITは社会のあらゆる分野で活用されています。特に「〇〇分野のIT化に貢献したい」といった想いがあれば、それを基準に企業を選ぶのも手でしょう。
また、IT業界は変化が激しく、新しい技術について常に学んでいく姿勢が求められます。プログラミングなどの経験の有無に関わらず、技術への興味と知識欲が求められる仕事です。
- 世の中をより便利にしたい
- 最新技術を社会に導入したい
- 新しい技術を学び続けたい
広告・マスコミ
広告・マスコミは、商品や情報を世の中に広く伝える仕事です。
華やかなイメージがあるため、就活生からも非常に人気の高い業界になっています。しかし、実際の仕事では地道な営業や取材が求められるため、憧れだけで続けるのは難しいといえるでしょう。
広告・マスコミで働く上では、「広告を通して生活者に〇〇という価値を与えたい」「〇〇な番組を作って視聴者を笑顔にしたい」といった明確なビジョンが必要です。
- 良い商品やサービスを広めたい
- 自分の作ったコンテンツで感動を与えたい
- 正確な情報を伝えたい
メーカー
メーカーは、モノ(製品)の生産・販売をしています。食品・自動車・繊維など作っている製品によって企業の特徴は大きく異なります。
近年では日本製品の海外展開も盛んであるため、海外志向がある人にも活躍のフィールドはあるといえます。
- ものづくりに携わりたい
- 日本の技術力の高さを世界に広めたい
- 生活をより便利にしたい
インフラ
インフラ業界は、エネルギー・交通・水道など人々の生活の根幹を支えています。
インフラは一度止まってしまうと、広範囲に影響が及びます。そのため、責任感の強い人や裏方として国民の生活を支えることに対する強い思いを持っている人に向いている仕事だといえるでしょう。
- 公共性の高い事業に携わりたい
- 裏方として人々の生活を支えたい
- 特定の地域の発展に貢献したい
就活の軸を面接で聞かれたときの答え方は?
就活の軸で人事から高評価をもらうためには、内容だけではなく答え方も大切です。
ここからは、面接で就活の軸を聞かれたときの答え方について説明します。まず結論を述べ、次に結論の理由、そして最後に軸に基づいたビジョンを述べるようにしましょう。
- 結論:私の就活の軸は、〜〜です。
- 結論の理由:過去に〜〜ということがあったからです。/ 普段から〜〜しているからです。
- 軸に基づいたビジョン:将来は〜〜な仕事がしたいと考えています。
面接での答え方の例文
私の就活の軸は「成果が数字で明確に評価される環境」です。そのように考えるようになったきっかけは、大学3年生から始めた訪問販売の長期インターンにあります。業務では苦しいこともありましたが、成果を上げて社内表彰されたとき、大きなやりがいを感じることができました。
この経験から、将来は数字にこだわり、確かな成果を上げられる営業として成長していきたいと考えています。
就活の軸に関するFAQ
最後に、就活の軸に関連するよくある質問とその回答についてまとめます。
お客様に寄り添うことは就活の軸になりますか?
お客様に寄り添うという想いは、立派な就活の軸になります。コンサル、金融、小売、人材など、顧客に対して真摯に向き合う姿勢を評価する企業は数多くあるからです。
お客様に寄り添うことを就活の軸にする場合は、自分の具体的な経験に基づくと良いでしょう。アルバイトなどを通して実際にお客様から感謝された経験を語ることで、就活の軸に説得力を持たせることができます。
就活の軸は1つに絞るべきですか?
就活の軸は無理に1つに絞る必要はありません。業務内容、社風、働き方など企業を選ぶ上で参考にすべき要素はたくさんあるため、1つに決めるのは難しいでしょう。
一方、就活の軸が複数あると、その分検討しなければならない要素は増えます。後から迷ってしまわないように、複数の軸のうちどれが一番重要なのか優先順位をつけておくことをおすすめします。
まとめ
本記事では以下の内容をお伝えしました。
- 就活の軸は、企業と就活生のミスマッチを防ぐためのもの
- 就活の軸は、やりがい・適性・働き方の3パターンに別れる
- 就活の軸を決める上では、自己理解と社会理解の両方が必要
- 面接で就活の軸を聞かれたときは、結論→結論の理由→軸に基づいたビジョンの順番で説明しよう
- 就活の軸は1つに絞る必要はない
就活の軸は、選考を突破するためだけではなく、数ある企業の中から自分の行きたい企業を選ぶためにも重要です。
就活の軸を定めなければ、なんとなく目に留まった企業を応募するだけになってしまいます。そうなると、効率的なエントリーができず、面接で志望理由を深堀りされたときも曖昧な答え方になってしまいます。
就活生のみなさんには、ぜひ本記事の内容も参考にしつつ、自分の納得のいく就活の軸を見つけていただきたいと思っています。
本記事がみなさんのより良い就活の一助になれば幸いです。
長期インターンとは、1ヶ月以上企業で実務を行うインターンを指します。
この長期インターンでは、このようなメリットがあります。
- 学生時に社会人として必要な経験が身につけられる!
- 実際に働いてみて、自分の【やりたいこと】が見つかる!
- 自分の成果が数字として表れるため自己アピールしやすい!
しかし長期インターンに対して悩みを持っている方が多くいるのは確かです。
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