長期インターンに参加する上で注意しなければならないことの1つに「扶養を超えないように働く」ことがあります。
では、学生は具体的にどんなことに注意すれば、扶養を超えずに働くことができるのでしょうか?
今回は、扶養を超えない所得のボーダーラインや、扶養を超えた際に発生する追加費用の詳細、その他注意点などについて解説していきます。扶養について詳しく知りたい学生さんは、ぜひ参考にしてください!
こんな人に読んでほしい
- 長期インターンで働く上で、扶養について知りたい人
- 長期インターンで扶養を超えないように働く方法が知りたい人
- 扶養を考えるにあたって、どこに注意すべきか具体的に知りたい人
この記事には広告を含む場合があります。
長期インターンとは、1ヶ月以上企業で実務を行うインターンを指します。
この長期インターンでは、このようなメリットがあります。
- 学生時に社会人として必要な経験が身につけられる!
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しかし長期インターンに対して悩みを持っている方が多くいるのは確かです。
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長期インターンの給与事情について
扶養について考えるにあたり、はじめに長期インターンの給与事情(給与体系と雇用形態)について簡単に解説します。
長期インターンの一般的な給与体系は、時給制、日給制、成果報酬型などが挙げられます。そして、各給与体系における長期インターンの一般的な給料額は、以下の通りになります。
給与体系 | 一般的な給与額 |
---|---|
時給制 | 時給1,000円~2,000円 |
日給制 | 日給5,000円~10,000円 |
成果報酬型 | 1成果につき、1,000円~50,000円 |
次に、長期インターンの雇用形態についてです。長期インターンでは、一般的に非正規社員と業務委託契約のどちらかの形態で働くことになります。
雇用形態 | 詳細 |
---|---|
①非正規社員 | ・長期インターン生は比較的柔軟な労働時間と勤務条件で、バイトと同じ形で働く ・労働の対価に対して「給与」が支払われる ・一般的に時給制や日給制などの給与体系で支払われる |
②業務委託契約 | ・長期インターン生は企業との間で一部の特定の業務を行う事を約束する ・労働の対価に対して「報酬」が支払われる(能力次第で上限なく稼げる) ・一般的に成果報酬型の給与体系で支払われる |
長期インターン先の給与体系や雇用形態などの給与事情は、学生が扶養を考える際にしっかりと知っておくべき情報です。長期インターンの給与事情についてより詳しく知りたい学生さんは、以下の記事をご覧ください。
扶養とは?
長期インターンの給与事情を把握したところで、次に、本題の「扶養」について触れていきます。
扶養とは、自身の稼ぎで生計を立てられない家族や親族に対して、経済的な支援をして養うことを指します。支援をする側を扶養者、支援を受ける側を被扶養者と言います。
扶養者は扶養控除によって、所得から一定の金額を所得控除できることになります。ちなみに、被扶養者が19歳以上23歳未満の場合は特定扶養親族という区分で、63万円の所得控除が受けられます。
また、扶養には2種類があります。扶養者は通常2種類の扶養により以下が適用されます。
①税法上の扶養→扶養者の所得税と住民税の免除
②社会保険(健康保険)の扶養→被扶養者の保険料の免除
そして、それぞれに扶養を超えない所得額のボーダーラインが存在しています。
つまり、学生は①②両方の扶養から外れないように働けば、扶養控除の範囲を超えず、追加費用の支払いをする必要なく働けるということになります。
そこで学生が知りたいのは、「①②の扶養を超えない所得額のボーダーラインはいくらなのか?」ということだと思います。
次に、①税法上での扶養と②社会保険の扶養、それぞれの扶養を超えない所得の最低額(ボーダーライン)についてと、扶養を超えたらどうなるのかについて解説していきます。
扶養から外れたらどうなる?
学生が扶養を超えて働いてしまった場合、どうなるのでしょうか?
学生が扶養から外れると、自分自身や親に税金や保険料の支払いが義務付けられます。つまり、追加費用が発生するということです。
①②それぞれの扶養を超えない所得の最低額(ボーダーライン)は以下の通りとなります。
①税法上の扶養(所得税と住民税の免除)→103万円(所得税の非課税ライン)※住民税の非課税ラインは約100万
②社会保険の扶養(社会保険料や国民年金保険料などの免除)→130万円
つまり、学生が103万円以上稼ぎ、親の①税法上の扶養から外れた場合、扶養控除がなくなることで親が支払う税金が増えてしまうのです。
また、学生が130万円以上稼ぎ、①に加え②社会保険の扶養からも外れた場合、所得税と住民税に加え、社会保険料や国民年金保険料などの支払いも発生してしまいます。
1つ、ここで注意していただきたいことは、社会保険(健康保険) は月々の収入を基準に金額が判断されるということです。つまり、社会保険の扶養から外れないようにするためには、年130万円未満=月々約10万8,333円未満に抑えなければならないということです。
扶養についての話題でよく耳にする、「103万の壁」「130万の壁」という言葉は、上記のような理由から言われており、学生は追加の税金や保険料などの支払いを避けるために、この2つの壁に注意して働く必要があるのです。
住民税の非課税ラインである「100万円の壁」について詳しく知りたい方は、こちらをご覧ください。
長期インターンで扶養から外れないように働く方法について
学生が103万円以上稼ぐと税金を、130万円以上稼ぐと税金に加え社会保険を支払わなければならなくなることを理解していただけたかと思います。
ここからは、学生が長期インターンで扶養を超えないように働く3つの方法をご紹介します。長期インターンへの参加に際して、扶養を超えてしまうことが心配な学生さんはぜひ参考にしてください。
①扶養のボーダーライン、103万円を超えないように働く
収入は年103万円、月約8万5,833円におさえて働きましょう。
先ほどお伝えした通り、扶養に入ったまま働く場合は、1年間の収入を103万円未満に抑える必要があります。また、扶養者の社会保険(健康保険)に加入したい場合は、1か月の収入を約10万8,333円未満(年130万円未満)に抑える必要があります。
したがって、学生は103万円を超えないように働くことで2種類の扶養から外れずに働くことができます。
しかし、特例として、大学に通っている学生は「勤労学生控除」を利用することで、103万円を超えて稼いでも学生自身の税金を支払わずに済む可能性があります。
ここで十分に注意していただきたいのは、勤労学生控除では、学生自身に課される税金しか控除にならないことです。「勤労学生控除」を利用する際の注意点については、この記事の後半で詳しく解説しているのでご覧ください。
②業務委託契約で働ける企業を探す
業務委託契約で働く場合は、確定申告で経費を計上することで、扶養を超えずに働ける場合があります。
扶養のボーダーライン「103万円」の内訳は以下のようになっています。
基本控除48万円+給与所得控除55万円=合計103万円
長期インターンの雇用形態についての部分で前述した通り、業務委託で働く場合は、労働の対価として「報酬」を受け取ります。したがって、給与ではなく「報酬」を受け取る業務委託契約では、103万円中の基本控除額(48万円)のみが適用されることになります。
つまり、業務委託契約で働いている場合は、確定申告にて所得が48万円以下になるように経費を計上すれば、103万円を超えて稼いでも扶養から外れずにすむ場合があるのです。
確定申告における経費計上については、事業をおこなう上で必要な支出と認められれば金額の制限なく計上する事ができます。しかし、経費の計上には必要性と合理性が求められるため注意が必要となります。
確定申告や経費計上などの詳細については、税理士事務所や最寄りの税務署、国税庁HPの相談窓口などでご確認ください。
③採用面接や面談で、勤務先に扶養について相談する
給与事情や雇用形態、その他扶養に関する金銭的な詳細は企業側によって異なります。
したがって、長期インターンに参加していない学生さんは応募後の面談や採用面接時に、すでに長期インターンに参加しており扶養について不安な学生さんは勤務先の上司に、それぞれ相談してみてください。
また、確定申告や所得情報、扶養を超えるか超えないかについても、親の所得やその他事情により1人1人異なってきます。詳しくは税理士事務所や最寄りの税務署、国税庁HPの相談窓口などでしっかりと相談してみてください。
扶養から外れないように働く際の注意点
ここまで、長期インターンで扶養から外れないように働くための3つの方法をご紹介しました。安心して長期インターンに参加するためにも、ぜひこの3つの方法を試してみてください。
最後に、扶養から外れないように働く際の注意点を4つの場面に分けて解説していきます。働き方や勤め先の給与事情などは学生によって様々だと思いますので、該当箇所がある場合はぜひ参考にしてください。
1.成果報酬型、インセンティブ制度の企業に勤める場合
成果報酬型、インセンティブ型の給与体系を採用する企業で働く場合は、扶養を超えやすいことに注意しましょう。
インセンティブとは、成果報酬型の給与形態と類似しており、「成果に応じて月給などの固定給に加えて成果報酬が貰える制度」を指します。
そして、この成果報酬型やインセンティブ制度で得た分も含めて1年間の収入が103万円未満になるように気を付けなければなりません。
そのため、働けば働いた分だけ稼ぐことができる成果報酬型やインセンティブ制度のもとで働く長期インターン生は、月ごとに収入の合計を把握するなどして、扶養を超えないように十分に気をつけてください。
2.長期インターンとバイトを両立する場合
学生が長期インターンとバイトを両立する場合は、扶養から外れる可能性が高くなるので十分に注意しましょう。
長期インターンとバイトを両立する学生が扶養から外れないように働くための対策としては、以下の2つが挙げられます。
- 長期インターン先とバイト先の2ヵ所から得た収入を定期的に合算して、両方合わせた収入が103万円を超えないよう日頃から確認する
- 業務委託契約で働ける長期インターン先やバイト先で働く
この2つを行うことで、長期インターンとバイトを両立する学生も扶養を超えてしまう不安を軽減できるかもしれません。ぜひ参考にしてみてください。
3.給料が手渡しの場合
給料が手渡しの場合でも、103万円を超えたら扶養から外れる可能性があることに注意しましょう。
本人の口座に給料が入っていなくても、支払者側の勤務先のデータから確定申告をしていないことがばれてしまう可能性があります。
そのことがばれてしまうと、多額の税金や延滞金を支払わなければならないため、手渡しであっても扶養を超えない所得額で働きましょう。
4.勤労学生控除を利用する場合
「勤労学生控除」を利用しても、学生が非課税対象になるだけで、103万円以上稼いだ時点で親に追加の税金の支払い義務が生じてしまうことを把握しておきましょう。
「勤労学生控除」とは、合計所得が65万円以下、給与所得以外の所得が10万円以下の条件を満たせば、所得税で27万円が控除されるしくみを指します。これを利用すれば、学生は年収130万円まで所得税がかかりません。
しかし、学生の所得が103万円を超えている時点で、親は追加の税金を負担することになります。その理由としては、学生が103万円以上を稼いだ時点で親は「扶養控除」を受けられなくなるからです。
つまり、勤労学生控除の利用で103万円を超えても学生自身に税金は課せられないものの、親が扶養控除を受けられなくなることで、結果として家族全体で支払う税金は増えることになります。
そのため、勤労学生控除の利用を考えている、またはすでに利用している学生さんは、勤労学生控除を利用中でも103万円を超えて稼がないように気を付けましょう。もしも103万円を超えてしまった時は、親にしっかりと伝えて相談しましょう。
勤労学生控除についての詳細は、国税庁HPでご確認ください。
103万円以上稼がないように注意することで、安心して長期インターンに参加しよう!
ここまで、学生が扶養を超えないようにする中で生じる可能性の高い4つのパターンそれぞれにおける注意点を解説しました。
この記事を通して、基本的に学生は103万円を超えて稼がなければ、2種類の扶養から外れずに働くことができるということをわかっていただけたかと思います。
現在長期インターンに参加しており、扶養を超えてしまう心配を抱える学生は、まずは長期インターン先の給与体系や自分がどの雇用形態で働いているのかを確認してから、扶養事情を家族や近くの税理士事務所、税務署に確認してみましょう。
また、これから長期インターンに参加しようと考えている学生さんは、まずはバイトなどで稼いでいる給料を計算し、扶養の範囲内であとどのくらい稼げるのかを確認しましょう。長期インターンを探す際は、業務委託契約(成果報酬型)で働ける長期インターン先を探すこともおすすめです。
長期インターンに参加すると、学生は専門知識や社会人マナー、再現性の高いガクチカ、志望業界で必要なスキルなど、就活や就職後にも活かせる様々なスキルや知見を得ることができます。この記事を参考にして扶養に関する不安を少しでもなくすことで、安心して積極的に長期インターンに参加していきましょう!
まとめ
この記事を要約すると以下の通りになります。
- 学生が長期インターンで働く場合は扶養に注意する。
- 学生が扶養から外れないためには、所得を年103万円未満にする必要がある。
- 業務委託契約で働ける長期インターン先に参加すると、扶養を超える心配を軽減できる可能性が高い。
- 給料が手渡しの場合や、勤労学生控除を利用中の場合でも、扶養から外れる可能性に十分に注意する。
この記事では、「長期インターンで働く上で、扶養について知りたい」「扶養から外れずに働く方法は?」と感じている学生さんに向けて、扶養について、扶養を超えずに働く方法について、その他扶養を考えるにあたって注意しておいてほしいことなどについて解説しました。
長期インターンで働く際は、基本的に103万円以上の所得を得ないようにすることで、扶養を超えずに働くことができます。
しかし、親側の所得やその他事情から1人1人扶養に関する情報が異なってくるため、自身の扶養の状況について正確に確認したい場合は、税理士事務所や最寄りの税務署、国税庁HPの相談窓口などで相談してみてください。
長期インターンで、学生は就活や就職後に活きるスキルや経験を得ることができます。もしも現在長期インターンへの参加を検討している学生さんがいらっしゃったら、ぜひ前向きに検討してみてください!
この記事があなたの参考になれば幸いです。
長期インターンとは、1ヶ月以上企業で実務を行うインターンを指します。
この長期インターンでは、このようなメリットがあります。
- 学生時に社会人として必要な経験が身につけられる!
- 実際に働いてみて、自分の【やりたいこと】が見つかる!
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しかし長期インターンに対して悩みを持っている方が多くいるのは確かです。
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