就職活動でクレペリン検査の受検を求められ、
「そもそもクレペリン検査って何?」「ただの足し算なのに何が評価されるの?」「対策って何をすればいいの?」
と不安に感じていませんか。
簡単な作業だからこそ、どこを見られているのか分からず、対策の仕方に戸惑うのは当然です。
この記事では、そんなあなたの不安を解消するために、クレペリン検査の目的や評価の仕組みといった基本から、具体的な対策方法、そして当日の注意点までを徹底的に解説します!
こんな人に読んで欲しい!
- クレペリン検査がどんなテストか分からず不安な方
- クレペリン検査の具体的な対策方法や練習のコツを知りたい方
- 「クレペリン検査は落ちる」と聞いて心配になっている方
クレペリン検査とは?

クレペリン検査では、横一列に並んだ数字の隣同士を足し、答えが2桁になった場合は下一桁を数字の間に書き込んでいきます。この作業を前半15分、休憩5分、後半15分の合計35分間続けます。
正式名称は「内田クレペリン検査」といい、日本で開発された歴史あるテストなんですよ。
クレペリン検査は、簡単な一桁の足し算を決められた時間行うことで、あなたの「能力」と「性格」の両面を測る心理検査です。
面接や質問形式のテストと違い、単純作業への取り組み方を見ることで、意図的に自分を良く見せることが難しいとされています。そのため、あなたの潜在的な作業能力や行動のクセが結果に表れやすいのです。
クレペリン検査の受験形式
クレペリン検査の受験形式には、大きく分けて2つのパターンがあります。それは、企業が指定する会場へ行って受験する「会場受験」と、自宅などで受験する「オンライン(リモート)受験」です 。
・会場受験
会場受験の場合、指定された日時にテストセンターや企業のオフィスなどへ足を運び、他の受験者と一緒にペーパーテストを受けます。
・オンライン受験
一方で、オンライン受験の場合は、自宅に検査用紙が郵送されてきます。その後、指定された日時に監督者の指示のもと(多くはオンラインで接続)、自宅で検査を受ける流れになります。
ただし、どちらの形式になるかは企業によって決められており、受験者が自分で選ぶことはできないので注意してください。
なぜ企業はクレペリン検査を使う?
企業は、面接では分からない「ストレス耐性」や「作業の安定性」などを客観的に知るためにクレペリン検査を利用します。
特に、高い集中力や持続力が求められる職種で重視される傾向があります。クレペリン検査は、あえて紙と鉛筆を使い、単調な作業負荷をかけることで、ストレス下でのパフォーマンスを測定します。
これにより、Webテストでは測れない、あなたの「素」の働きぶりを予測することができるのです。
クレペリン検査で何が評価される?

クレペリン検査では主に「①作業量」「②作業曲線」「③誤答」の3つのポイントから、あなたの能力と性格が総合的に評価されます。
これらの3つの要素を組み合わせることで、あなたの仕事の処理能力だけでなく、物事への取り組み方や気分のムラ、粘り強さといった内面的な特徴まで分析できます。
それぞれ詳しく見ていきましょう。
①作業量:処理能力の高さ
作業量では、仕事の処理スピードや作業効率が評価されます。1分あたり60個程度の計算量が、一般的な平均値とされています。
全体の作業量が多い人は、テキパキと仕事をこなす能力が高いと判断される傾向があります。
1行には116個の数字が並んでおり、1分間で115回の計算が必要です。全てを解くのは非常に困難なので、まずは平均とされる1行の半分(約60個)を目指すと良いでしょう。
②作業曲線:一貫性と安定性

作業曲線は、1分ごとの作業量の変化をグラフにしたもので、あなたの集中力の持続性や安定性を評価する重要な指標です。これを見ることで、あなたの働き方のリズムや、疲れやプレッシャーに対する反応が分かるのです。
「定型曲線(図の青線)」と呼ばれる理想的なパターンに近いほど、安定・継続して能力を発揮できると評価されます。この曲線は、前半がU字型を描き、休憩を挟んだ後半の開始直後に作業量が最も多くなり、その後緩やかに下降していくのが特徴です。
この形から大きく外れると「非定型曲線(図の赤線)」と判断され、性格や行動面に何らかの偏りがあると見なされることがあります。
(出典:内田クレペリン検査)
③誤答:作業の正確性と癖
誤答の数や発生箇所から、あなたの作業の正確性や注意深さ、仕事の癖などが評価されます。ミスが少ないことはもちろん重要ですが、どこでミスが起きやすいかも見られています。
ミスが多すぎると「注意散漫」「仕事が雑」といった印象を与えかねません。
また、特定の箇所(例:後半の疲れてきた頃)にミスが集中すると、「集中力が切れやすい」といった特性を指摘される可能性があります。
クレペリン検査に落ちる人の特徴
クレペリン検査で評価が低くなりやすい人の特徴は以下の通りです。
- 集中力が続かない
- 作業曲線が乱れる
- 計算スピードが極端に遅い
- ミスが多すぎる
計算の速さだけでなく、作業の安定性が大きく影響します。
企業は、入社後に安定して業務を遂行できる人材を求めています。そのため、集中力の欠如や気分のムラが大きいと判断されると、業務への適応が難しいと懸念される可能性があります。
これらの特徴を理解し、そうならないように対策することが重要です。
クレペリン検査の合格対策法

クレペリン検査の対策は、「心構え」「実践練習」「戦略」の3つの軸で進めるのが効果的です。
これらをバランス良く行うことで、本番でのパフォーマンスを最大化できます。
この検査は知識を問うものではなく、あなたの作業遂行能力そのものを見るテストです。そのため、一夜漬けではなく、事前に心身の状態を整え、形式に慣れ、本番のペース配分を考えておくことが合格への近道となります。
体調とメンタルを整える
体調管理こそが、クレペリン検査対策の土台となります。
集中力や持続力は、気力や体力に大きく左右されます。寝不足で疲れている状態では、簡単な計算でもミスが増え、集中力も続きません。
検査前日は夜更かしをせず、7時間以上の睡眠を確保しましょう。また、当日は朝食をしっかりとり、脳のエネルギーとなるブドウ糖を補給しておくのも効果的です。
計算に慣れておく
問題集やスマートフォンのアプリなどを活用し、クレペリン検査の形式とスピード感に慣れておきましょう。
ぶっつけ本番で臨むと、独特の形式や時間制限に戸惑い、本来の力を発揮できない可能性があります。
繰り返し練習することで、計算スピードとリズム感が身につきます。事前に形式に慣れておけば、心に余裕が生まれ、本番でも落ち着いて取り組めます。
練習する際は、必ず15分間時間を計り、本番と同じ環境で集中力を維持するトレーニングをしましょう。
ペース配分を意識する
本番では、全体のペース配分を意識することが重要です。
一般的には、前半はスピードを重視し、後半は正確性を意識すると安定した結果に繋がりやすいです。
最初から全力で飛ばしすぎると、後半でエネルギー切れを起こし、作業量が大きく落ち込んでしまう危険性があります。
練習の段階で、自分がどのくらいの時間集中力が続くのか、疲れが出始めるのはいつ頃か、といった傾向を把握しておきましょう。
クレペリン検査当日のコツと注意点
検査当日は、いくつかの重要な注意点を守ることで、不要な失点を防ぎ、実力を最大限に発揮できます。
クレペリン検査には、時間ロスやリズムの乱れに繋がる「やってはいけないこと」がいくつか存在します。これらのルールやコツを事前に知っておくだけで、他の受検者と差をつけることができます。
これらを頭に入れて、本番に臨んでください!
消しゴムは使わない!
計算を間違えても、絶対に消しゴムで消してはいけません。そもそも、クレペリン検査では消しゴムの使用が禁止されている場合がほとんどです。
消して書き直す時間は、大きなタイムロスになります。その時間があれば、次の計算を一つでも多く進める方が、全体の作業量を確保する上で遥かに重要だからです。
また、一つのミスに固執すると、作業のリズムが崩れ、さらなるミスを誘発する悪循環に陥ります。ミスはするものと割り切り、どんどん先に進むことを心がけましょう。
筆記用具は複数用意しておく
シャーペンや鉛筆は、芯が折れるなどのトラブルに備えて、必ず複数本用意しておきましょう。
予備があるというだけで、安心して検査に集中できますし、検査の途中で筆記用具が使えなくなると、交換に時間がかかり、焦りの原因となります。
ほんの数秒のロスが、その後のパフォーマンスに大きく影響することもあります。
芯が折れにくい、濃くて滑らかに書ける鉛筆(HBやB)を3本ほど削って持っていくのがおすすめです。
桁上がりは1の位だけ書く
隣り合う数字を足した答えが2桁になった場合は、必ず「1の位」の数字だけを記入します。これはクレペリン検査の絶対的なルールです。
焦っているとつい忘れがちになるため、常に意識しておく必要があります。
例えば、隣り合う数字が「8」と「9」だった場合、足すと「17」になります。この時、解答欄に書くのは「7」です。「17」と書いてしまうと間違いになりますので、注意しましょう。
SPIの対策も忘れずに!
クレペリン検査の対策も大事ですが、SPI対策もぬかりなく行っていますか?
SPIは就活で一番よく用いられるテストで、ほとんどの就活生が受けることになる、非常に重要な関門です。SPI対策を何からすればいいかわからないという方は、力試しとして、SPI対策模試を受けることをおすすめします。
先輩のクレペリン検査体験談
実際にクレペリン検査を受けた先輩たちの体験談から、成功のヒントと失敗の原因を学びましょう。
Aさん「練習不足で本番パニックに」

「ただの足し算」と油断してしまい、本番でペースの速さについていけず、パニックになってしまいました。事前の練習がいかに大切かを痛感しました。一度でいいから、時間を計って練習しておくべきです。
クレペリン検査は、1行1分という時間制限が想像以上にタイトです。
このペースに慣れていないと、焦りから普段はしないようなミスを連発してしまいます。
Bさん「体調管理が一番の対策だった」

計算練習もしましたが、最も効果があったのは、前日にしっかり睡眠をとって体調を万全に整えたことでした。集中力の維持には、コンディションが何より重要だと感じました。
クレペリン検査は、30分以上も単純作業を続ける、一種の持久戦です。
寝不足や疲労が溜まっている状態では、後半で集中力が切れてしまい、本来の力を発揮できません。
まとめ
最後までお読みいただきありがとうございます。この記事の内容をまとめると次のようになります。
- クレペリン検査は「能力」と「性格」の両面を測るテスト
- 評価の鍵は「作業量」「作業曲線」「誤答」のバランス
- 最高の対策は「事前練習」と「万全の体調管理」
クレペリン検査は、計算能力だけでなく、あなたの仕事への取り組み方や人柄を見るためのテストです。仕組みを理解し、正しい対策をすれば、決して怖いものではありません。
重要なのは、計算の速さだけに一喜一憂せず、安定したペースで最後までやり遂げることです。そのためには、事前の練習と万全の体調管理が何よりも大切になります。
この記事で紹介した対策法を実践し、当日はリラックスして臨んでください。
ミスを恐れず、自分らしいペースで取り組むことが、結果的に良い評価に繋がります。皆さんの就職活動が成功することを心から応援しています。
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