就職活動の第一関門ともいえるエントリーシート(ES)。
なかでも「自己PR」は、多くの学生が頭を悩ませる項目ではないでしょうか。
履歴書や面接とは異なり、「文字だけで読み手に伝える」必要があるES。
だからこそ、自己PRの伝え方には特別な工夫が求められます。
この記事では、エントリーシートならではの自己PRの書き方について、具体的な構成から例文、よくある失敗例まで、分かりやすく解説していきます。
これを読めば、自信を持って自己PRを書けるようになるはずです。
この記事でわかること
- エントリーシートでの自己PRの書き方がわからない
- アルバイトやサークル経験しかなく、自己PRになるかわからない
- 書いたエントリーシートの自己PRに説得力がない気がする
- 履歴書や面接での自己PRとの違いがよくわからない
- 他の就活生と差をつけたいと思っている
エントリーシートの「自己PR」とは?

まず、エントリーシートにおける自己PRがどのような役割を持つのか、基本から確認しましょう。
自己PRとは?
「自己PR」とは、あなたが持つ「強み」や「できること(能力・スキル)」を、具体的な根拠(エピソード)と共に企業へ提示し、入社後にどのように活躍・貢献できるかをアピールする項目です。
単に自分を紹介したり、経験を述べたりするだけでなく、自身の価値を企業に理解してもらうための重要なプレゼンテーションと捉えましょう。
履歴書や面接の自己PRとの違い
エントリーシートは、採用担当者が文章として読み進めることを前提としています。
つまり、ただ情報を羅列するのではなく、読み手を引き込み、理解を促すストーリーや構成が不可欠です。
言葉だけで、自己PRとして自身の魅力や強みを過不足なく伝えきるというのが、エントリーシートの自己PRに求められる最も重要なポイントです。
エントリーシートでは表情や声のトーンが使えず、その場で疑問点を解消することもできないため、論理的で分かりやすい文章と明確な言葉選びがより一層重要になります。
【ES・履歴書・面接における自己PRの違い】
特徴 | ESでの自己PR | 履歴書での自己PR | 面接での自己PR |
---|---|---|---|
目的 | 強みとポテンシャルを文章で深く伝える | 職務経歴やスキルと関連付けて強みを簡潔に示す | 対話を通じて人柄や強みを具体的に伝え、疑問に答える |
形式 | まとまった文章 | 箇条書きや短い文章 | 口頭での対話 |
読み手/聞き手 | じっくり読む | 短時間でスキャンする | 相互にやり取りする |
重要ポイント | ・文章構成力 ・具体性 ・読みやすさ | ・簡潔さ ・キーワード ・職務経験との関連 | ・コミュニケーション能力 ・応答力 ・人柄 |
最適なスタイル | 結論先行 具体例を伴うストーリー形式 | 箇条書き 短文 | 結論先行で話し、具体例やエピソードを交えて説明 |
この表からもわかるように、エントリーシートの自己PRは、他の場面とは異なるアプローチが必要なのです。
自己紹介や志望動機との役割の違い
エントリーシートには自己PR以外にも、「自己紹介」や「志望動機」を書く欄があります。
これらは似ているようで、実は役割が異なります。混同しないように整理しましょう。
- 自己紹介:
あなたが「誰であるか」を示す基本的な情報(所属、氏名など)。 - 自己PR:
あなたが「何ができるか」「どんな強みを持っているか」を具体的な経験に基づいて示すもの。企業への貢献可能性をアピールします。 - 志望動機:
あなたが「なぜこの企業で働きたいのか」「ここで何を成し遂げたいのか」を示すもの。企業への熱意やマッチ度を伝えます。
例えるなら、自己紹介は「名刺」、自己PRは「実績紹介」、志望動機は「ラブレター」のようなものです。
それぞれの役割を理解し、内容が重複したり、ずれたりしないように注意しましょう。
特に自己PRでは、過去の経験から得た強みを明確にし、それが入社後にどう活かせるかを示すことが重要です。
企業がエントリーシートで自己PRを重視する理由
なぜ多くの企業がエントリーシートで自己PRを重視するのでしょうか?
それは、企業がエントリーシートの自己PRを通じて、応募者のポテンシャルや企業文化との適合性を見極めようとしているからです。
具体的には、以下のような点を確認しています。
- 自社で活躍できる強みを持っているか:
どのようなスキルや特性を持っているのか。 - 経験から学び、成長できる人材か:
過去の経験をどのように捉え、次に活かそうとしているか。 - 課題にどのように向き合うか:
問題解決能力や主体性、粘り強さなど。 - 自己理解ができているか:
自分の強みや特性を客観的に把握し、言語化できているか。 - 社風や価値観に合っているか:
どのような考え方や行動特性を持っているか。
企業は、エントリーシートの自己PRに書かれた過去の行動(具体的なエピソード)から、応募者が入社後にどのように考え、行動し、貢献してくれるかを予測しようとしています。
単に活動内容を伝えるのではなく、自分の強みや考え方が伝わるように書くことが、採用担当者の心に響く鍵となります。
自己PRを書く前にすべきこと

エントリーシートに魅力的な自己PRを書くためには、いきなり書き始めるのではなく、事前の準備が非常に重要です。
自分の経験を書き出そう
まずは、これまでの自分の経験を徹底的に洗い出すことから始めましょう。
「アピールできるような特別な経験がない…」と感じる人もいるかもしれませんが、心配はいりません。
学業、ゼミ、研究、アルバイト、サークル活動、ボランティア、趣味、個人的なプロジェクト、留学経験、困難を乗り越えた経験など、どんな些細なことでも構いません。
すべてリストアップしてみましょう。
その際、以下の点を意識すると、自己PRの材料が見つかりやすくなります。
- 目標達成のために努力したことは?
- 課題を発見し、解決した経験は?
- チームで協力して何かを成し遂げたことは?
- 新しいことに挑戦した経験は?
- 誰かのために行動したことは?
- 苦手なことや困難を乗り越えた経験は?
- 特に工夫した点や、自分ならではの取り組みは?
- その経験から何を学んだか?
特別な経験である必要はありません。日常の中での工夫や努力にこそ、あなたらしさや強みが隠れていることが多いのです。
この「棚卸し」作業が、説得力のある自己PRをエントリーシートに書くための土台となります。
しかし、それでも「どうしても自己PRでアピールできるエピソードが見つからない…」と感じる場合や、「より実践的な経験を自己PRで伝えたい」と考えるなら、長期インターンに参加するという選択肢も非常に有効です。
「どんなインターンが自分に合うかわからない」「経験をどう自己PRに繋げればいいか不安」…もしそんな悩みを抱えているなら、ココシロインターンの面談サービスを活用してみることをおすすめします。
専門のキャリアアドバイザーが、あなたの経験や興味に合わせた最適な長期インターン探しをサポートしてくれるだけでなく、経験の棚卸しから効果的な自己PRの作成まで、マンツーマンで丁寧にアドバイスしてくれます。一人で悩まず、専門家の力を借りることも考えてみてください。
学生の面談申し込みはこちら
強みと成果を整理しよう
経験の洗い出しができたら、次はステップアップです。「その経験でどんな良い結果(成果)が出たか」と、「どうして自分はその成果を出せたんだろう?(=あなたの強み)」をセットで考えてみましょう。
- 成果: 具体的にどんなことが起こりましたか?
(例:「アルバイト先の売上が10%アップした」) - 強み: その成果につながった、あなた自身の良いところは何でしょう?
(例:「データ分析力」「提案力」「粘り強い交渉力」)
自己PRを書くときに、つい「売上が10%向上しました!」のように、成果だけをアピールしたくなると思います。でも、採用担当者からすると、「それで、この人は具体的に何をしたのかな?」と疑問に思うこともあるんです。
企業が注目しているのは、成果そのものだけでなく、「どうやって?」というプロセスです。つまり、成果に至るまでのあなたの具体的な行動と、その行動を支えた力(強み)なんです。そこから、あなたが会社で活躍する姿を想像しています。
例えば「売上が10%向上した」という成果なら、
「お客様のデータを分析して、新しいメニューを提案した(行動)ところ、売上がアップしました。この経験から、私の強みは『データ分析力』や『提案力』だと考えています」
という風に、「成果」「行動」「強み」をうまく結びつけて伝えるのがポイントです。
この整理をしっかり行うことで、エントリーシートで自信を持って伝えられる、あなただけの自己PRがきっと見つかりますよ。
よくあるNGパターンを知ろう
エントリーシートに質の高い自己PRを書くためには、避けるべきNGパターンを知っておくことも有効です。
以下のような書き方をしていないか、注意しましょう。
1. 抽象的・曖昧な表現になっている
例:「コミュニケーション能力には自信があります」「リーダーシップを発揮しました」
NG理由: 抽象的すぎてどんな行動で・どんな結果を出したかが伝わらず、説得力に欠けます。役職や成果を羅列しても、具体的な行動や強みが見えないと印象には残りません。
改善ポイント:「何をして、どう工夫して、どんな結果が出たか」を必ずセットで伝えましょう。
2. 自慢や言い訳に見えてしまう表現
例:「私の〇〇力は誰にも負けません」「失敗しましたが、仕方なかったと思います」
NG理由: 自信の裏付けとなる具体的な根拠(成果や行動)がないと、ただの自慢や責任転嫁に聞こえる可能性があります。
改善ポイント: 「強み」は必ず行動や経験の裏付けを添えて。失敗談は学びや改善行動までセットで伝えると好印象です。
3. 企業への配慮が足りない
例:「協調性が求められる企業に対して、個人成果ばかりをアピール」「履歴書と全く同じ内容」
NG理由: 志望先企業の価値観や求める人物像とズレた内容は、「企業研究不足」と見なされやすく、評価を落とす可能性があります。
改善ポイント: 企業の特徴やカルチャーに合ったアピールを。自己PRは履歴書との差別化を意識し、オリジナリティある文章を意識しましょう。
これらのNGパターンを反面教師として、具体的で、根拠があり、あなた自身の言葉で語られた自己PRを目指しましょう。
読まれる自己PRの型とは?

自己PRを効果的に伝えるためには、分かりやすい構成(型)を用いることが重要です。
ここでは、多くの企業担当者に「読まれる」ための基本的な型を紹介します。
結論 → 経験 → 工夫 / 行動 → 結果の流れが基本
自己PRの構成として最も効果的で分かりやすいのが、以下の流れです。
これはPREP法やSTARメソッドを応用した考え方で、特にエントリーシートのように文章で伝える場合に有効です。
【結論】(Conclusion / Point)
あなたの一番伝えたい強みを最初に明確に述べます。
例:「私の強みは、課題を発見し解決策を主体的に実行する力です」
ポイント:読み手は何についての話なのかをすぐに理解でき、その後の内容に集中しやすくなります。
【経験・状況】(Experience / Situation)
その強みが発揮された具体的な経験や状況を簡潔に説明します。
例:「大学の〇〇サークルで、新入生歓迎イベントの企画を担当した際のことです」
ポイント:話の背景を伝え、読み手が状況をイメージしやすくなります。
【工夫・行動】(Effort / Action)
その状況において、あなたがどのように考え、工夫し、行動したかを具体的に記述します。ここが自己PRの核となる部分です。
例:「当初、参加者数が伸び悩んでいました。原因を分析したところ、広報不足と企画の魅力が伝わっていないことだと考え、SNSでの発信強化と、参加型のミニゲーム導入を提案・実行しました」
ポイント:思考プロセスや主体的な行動を明確にし、強みの根拠を示します。
【結果・学び】(Result)
あなたの行動によってどんな結果が生まれたか、そしてその経験から何を学んだのかを伝えましょう。可能であれば定量的な成果を含めるとより効果的です。
例:「結果として、前年比150%の参加者を集めることができ、イベントは大成功を収めました。この経験から、現状分析に基づいた具体的な施策実行の重要性を学びました」
ポイント:行動の成果を具体的に示し、そこからの学びを入社後の貢献意欲に繋げましょう。
この「結論 → 経験 → 工夫・行動 → 結果」の流れを意識することで、論理的で分かりやすく、説得力のある自己PRを作成することができます。
数値や具体性で自己PRの説得力をプラス
自己PRの説得力を格段に高めるのが、「数値」と「具体性」です。
抽象的な言葉だけでは、エントリーシートの読み手にあなたの強みや成果のインパクトが伝わりにくくなります。
数値で自己PRの説得力を増やす
数値を用いることで、成果が客観的かつ具体的になり、信頼性が増します。
アルバイトやサークル活動など、ビジネスと直接関係ない経験でも、「〇〇の作業時間を10%短縮した」「アンケート回収率を50%から80%に引き上げた」など、工夫次第で数値化できることは多くあります。
- 「売上を大幅に改善した」
→「売上を15%向上させた」 - 「多くの新入生が入部した」
→「新入生が20名入部し、前年比30%増となった」 - 「チームをまとめた」
→「5名のチームを率いて、〇〇という目標を達成した」
具体性で自己PRの説得力を増やす
どのような状況で、具体的にどのような行動をとったのかを詳しく描写することで、あなたの人柄や思考プロセスがより鮮明に伝わります。
- 「コミュニケーション能力を発揮した」
→「相手の意見を丁寧に聞き、認識のズレがないかを確認しながら議論を進めた結果、チームの合意形成に貢献した」 - 「問題解決に取り組んだ」
→「〇〇という問題に対し、△△という原因を特定し、□□という解決策を実行した」
数値と具体性を意識的に盛り込むことで、あなたの自己PRはよりリアルで、説得力のあるものへと進化します。
「あなたらしさ」をどう言語化するか
構成や具体性も重要ですが、他の就活生と差をつけるためには、「あなたらしさ」を表現することも大切です。
同じような経験をしていても、そこでの考え方、感じ方、行動の仕方は人それぞれです。
「あなたらしさ」を言語化するためには、以下の点を意識してみましょう。
- なぜそう考えたのか?
→ 行動の背景にある動機や価値観を掘り下げてみましょう。
例:「なぜリーダーに立候補したのか?」「なぜその改善策を思いついたのか?」 - どのように工夫したのか?
→ 自分ならではの視点やアプローチを強調しましょう。
例:「他の人とは違う、〇〇というアプローチを試した」 - 何を感じたのか?
→ 経験からの学びや感情を、素直な言葉で表現しましょう。
例:「悔しい思いもしたが、その経験がバネになった」「チームで達成感を分かち合えたことが嬉しかった」
完璧な成功体験だけでなく、試行錯誤したプロセスや、困難を乗り越えた経験の中にこそ、「あなたらしさ」が表れることもあります。
無理に格好つけようとせず、等身大のあなたが伝わるような言葉を選びましょう。企業は、スキルや経験だけでなく、あなたの個性や価値観も知りたいと思っています。
自分自身の言葉で語ることが、最終的に最も強いアピールになります。
エントリーシートの自己PRのブラッシュアップの方法

自己PRは、一度作ったら終わりではありません。
エントリーシートでより伝わる文章にするために、以下の方法でブラッシュアップしましょう。
自己PRを第三者に読んでもらう
自分で書いた文章は、自分では完璧だと思っていても、他人から見ると分かりにくかったり、意図が伝わっていなかったりすることがよくあります。
書き終えたら、必ず第三者に読んでもらい、客観的なフィードバックをもらいましょう。
- この自己PRを読んで、私の一番の強みは何だと思いましたか?
- 分かりにくい部分や、もっと詳しく知りたい箇所はありましたか?
- 具体性に欠けると感じる部分はありましたか?
- 説得力を感じましたか?
- 読んでいて疑問に思ったことはありますか?
もらったフィードバックを素直に受け止め、修正することで、自己PRの質は格段に向上します。
自己PRを自分で音読する
音読は、文章の質を高めるための簡単かつ効果的な方法です。
目で読むだけでは気づきにくい点を発見できます。
- リズム・テンポ: スムーズに読めるか?不自然な言い回しはないか?
- 誤字・脱字: 間違っている箇所はないか?
- 論理の飛躍: 話の流れは自然か?接続詞は適切か?
- 分かりにくい表現: 専門用語を使いすぎていないか?一文が長すぎないか?
- 説得力: 読んでいて、内容に納得感があるか?
声に出して読むことで、文章を客観的に捉え直し、より洗練された伝わる文章に仕上げることができます。
AIに添削してもらう
「何度書き直しても納得できない…」「伝えたいことはあるのに、うまく言葉にできない…」
そんなときは、AIの力を借りてみるのも一つの手です。
SmartESは、あなたの経験やキーワードを入力するだけで、自然で説得力のある自己PR文を自動生成してくれるエントリーシート作成支援ツールです。
- ガクチカやアルバイト経験から「強み」や「成果」を的確に抽出
- PREP法や企業が好む構成に自動で整形
- 就活経験者やキャリアアドバイザー監修のテンプレートに沿って作成
もちろん、最終的には自分の言葉に直すことが大切ですが、文章の“たたき台”があるだけで驚くほど書きやすくなるのも事実です。
「まず1本、納得できる自己PRを形にしたい」そんな方は、SmartESを活用してみてください!
SmartESを利用するにはこちらをクリック
エントリーシートに書く自己PRに苦戦した体験談

正直、就活の最初の頃はエントリーシートが全然通らなくて、かなり落ち込んでいました。特に自己PRの部分で毎回つまずいていて、「何が悪いのか分からない」という状態が続いていたんです。
当時は「リーダーシップがあります」「イベントを成功させました」など、よくある表現を使って書いていたのですが、今思えば何をしたのかがぼんやりしていて、印象に残らなかったんだと思います。
そこで一度、友人やキャリアセンターの方に相談して、自己PRの書き方を根本から見直しました。意識したのは、「具体的な行動」と「成果」をセットで書くこと、そして「自分ならではの強み」をきちんと伝えることです。
例えば、「地域イベントを成功させました」と書いていた部分を、「参加者数が伸び悩んでいた原因を分析し、SNSと地域商店街を活用したプロモーションを企画・実行。その結果、参加者数が前年比30%増加した」というように、数字や行動の背景まで丁寧に書くようにしたんです。
それからは驚くほど通過率が上がって、面接に進める企業が増えました。今では、自己PRは“自分を伝える設計図”だと思って大切にしています。内容は同じでも、構成や伝え方を変えるだけで、ここまで印象が変わるんだと実感しました。

私は情報系の学部に所属していて、学部のプロジェクトや個人開発の経験もあったので、正直「自己PRは困らないだろう」と思っていました。
でも、エントリーシートをいくつか出したところ、想像以上に通過しなくて…。焦って見直してみたら、“技術の話しかしていない”自分に気づきました。
「〇〇のアプリを開発しました」「□□という言語を使って機械学習のモデルを構築しました」…って、すごいことのはずなのに、それが“何のため”で、“どう貢献できるか”を書いていなかったんです。
そこで、自己PRの軸を「技術力」そのものから、「課題を見つけて、技術で解決する力」に変えてみました。研究室でのシステム開発の話も、「ユーザーの使いづらさをどう発見したか」「どんな設計で改善したか」「結果どうなったか」まで丁寧に整理して、ストーリーとして伝えるようにしました。
そうしたら、企業の方から「実務の現場でも再現できそうな力ですね」「ユーザー視点があるのが印象的でした」といったコメントをいただけるようになって、エントリーシートの通過率が一気に上がったんです。
技術は手段であって、それを何のために使うのかを語れることが、企業にとっては大きな判断材料になるんだと実感しました。
エントリーシートの自己PRについてのQ&A
- Q1. ガクチカとの違いは?
-
ガクチカは「経験に注目」し、自己PRは「強みに注目」します。
ガクチカ=何に力を入れたか、
自己PR=どんな強みをどう活かせるか。
書き分けが大事ですが、設問意図もよく確認しましょう。
- Q2. インターン経験がなくても大丈夫?
-
問題ありません!
アルバイト、ゼミ、サークルなど、身近な経験からも十分アピールできます。
大切なのは「経験の種類」ではなく、そこから何を学び、どう成長したかです。
- Q3. 自信のないエピソードでもいい?
-
OKです。
大事なのは、失敗からの学びや乗り越える姿勢を伝えること。
成功だけでなく、成長の過程がアピールになります。
エントリーシートの自己PRの例文集
ここでは、様々な経験を活かしたエントリーシートの自己PRの例文を紹介します。
構成や表現の参考にしてください。各例文には「アピールしている強み」と「工夫したポイント」の解説も付けています。
アルバイト(カフェ)を活かした例文
私の強みは「顧客のニーズを先読みし、期待を超える行動ができること」です。大学3年間、カフェでのアルバイトに注力しました。当初、常連のお客様は多いものの、新規顧客の獲得に課題がありました。私は、お客様一人ひとりの表情や会話を注意深く観察し、潜在的なニーズを探ることを意識しました。例えば、勉強で疲れている様子の学生さんには「集中できるお席へどうぞ」と声をかけたり、小さなお子様連れのお客様にはさっと子供用椅子を用意したりしました。また、注文時に迷われているお客様には、好みや気分を伺いながら、おすすめのドリンクやフードを具体的に提案しました。さらに、お客様からのご意見を元に、季節限定メニューのアイデアを店長に提案し、採用されたこともあります。結果として、お客様アンケートでの満足度が半期で10ポイント向上し、「〇〇さん(私)がいるから来る」と言ってくださる新規のお客様も増えました。この経験から、相手の立場に立って考え、主体的に行動することでお客様の満足度を高められることを学びました。貴社においても、この「顧客志向の行動力」を活かし、お客様に最高のサービスを提供したいと考えております。
【アピールしている強み】
顧客志向の行動力、観察力、提案力、主体性
【工夫したポイント】
- 結論(強み)を最初に提示。
- 具体的な行動(観察、声かけ、提案、アイデア出し)を複数記述。
- 「満足度10ポイント向上」「新規顧客増」という具体的な成果を提示。
- 強みが仕事でどう活かせるかに言及。
サークル活動(文化系)を活かした例文
私の強みは「目標達成に向け、多様なメンバーの意見を調整し、チームをまとめられること」です。所属していた写真サークルで、年に一度の展示会の企画リーダーを務めました。メンバーは30名おり、展示テーマや展示方法について様々な意見が飛び交い、議論がまとまらない状況でした。私はまず全員の意見を丁寧にヒアリングし、それぞれの想いやこだわりを理解することに努めました。その上で、展示会の目的(多くの人に写真の魅力を伝える)に立ち返り、各意見の良い点を組み合わせた複数の展示プランを提示しました。議論では対立する意見の間に入り、双方の意図を翻訳するように伝え、共通のゴールを見つけることを意識しました。最終的に、全員が納得できる形で「光と影」という統一テーマを設定し、個性を活かしつつも一体感のある展示を実現。結果、来場者数は前年比20%増となり、アンケートでも「テーマ性が明確で面白かった」という高評価を多数いただきました。この経験を通じて、多様な価値観を尊重しながら目標達成のために合意形成を図る力を身につけました。貴社でもこの調整力を発揮し、円滑なプロジェクト推進に貢献したいと考えております。
【アピールしている強み】
調整力、リーダーシップ、傾聴力、合意形成能力
【工夫したポイント】
- 課題(意見がまとまらない)と、それに対する具体的な行動(ヒアリング、プラン提示、対話の促進)が明確。
- 「来場者数20%増」「高評価」という成果を具体的に記述。
- チーム内での自身の役割と貢献が分かりやすい。
- 強みが「調整力」であることがエピソードを通じて伝わる。
勉強・資格(語学)に関する例文
私の強みは「目標を設定し、達成に向けて計画的に努力を継続できること」です。大学入学時、英語力に自信がありませんでしたが、「海外の文献を原文で読めるようになりたい」と考え、TOEIC900点取得を目標に掲げました。現状レベルを把握したうえで、2年間で達成する学習スケジュールを逆算し、月次・週次の計画を立案。毎日1時間の学習時間を確保し、「単語」「文法」「リスニング」「長文読解」をバランス良く組み込みました。特に苦手だったリスニング克服のため、海外ドラマを字幕なしで視聴し、シャドーイングを15分/日行うなど工夫を継続。学習進捗はアプリで可視化し、模擬試験で弱点を分析して計画を随時修正しました。その結果、大学3年の秋にTOEIC900点を達成。この経験から、明確な目標設定と緻密な計画、そして地道な努力の継続が成果につながることを実感しました。貴社でもこの「計画性と継続力」を活かし、新たな専門知識の習得に着実に取り組み、早期戦力化に貢献したいと考えています。
【アピールしている強み】
計画性、継続力、目標達成意欲、自己管理能力
【工夫したポイント】
- 具体的な目標(TOEIC900点)と達成までのプロセスが明確。
- 「学習計画作成」「毎日の学習」「具体的な学習方法」「進捗管理」など、努力の内容が具体的。
- 数値目標(900点)を達成したという明確な成果。
- 自己分析と計画修正のプロセスにも言及し、PDCAサイクルを回せることを示唆。
長期インターン経験を活かした例文
私の強みは「データに基づいた分析力と、それを実行に移す行動力」です。ITベンチャー企業での長期インターンシップでは、Webメディアのコンテンツマーケティングを担当しました。当初、記事のPV数は伸び悩んでおり、原因が不明確な状態でした。そこで、Google Analytics を活用し、アクセスデータ・読者属性・流入経路を徹底分析。その結果、「特定キーワードからの流入不足」「若年層向けコンテンツの欠如」という課題を特定しました。SEO対策を強化するキーワード戦略と、若年層に響くインフルエンサーインタビュー企画を立案し、社員の方へ提案。承認後は、キーワード調査・構成案作成・記事執筆・効果測定まで主体的に推進しました。結果、担当キーワードの検索順位が平均5位上昇し、3か月でメディア全体の PV が20%向上。データ仮説 → 施策 → 実行・検証 というサイクルを回し、成果につなげる手応えを得ました。この経験から、データドリブンで課題を特定し、実行までリードする力を身に付けました。貴社でも、この分析力と実行力を活かし、事業成長に貢献したいと考えております。
【アピールしている強み】
分析力、実行力、課題解決能力、提案力、主体性
【工夫したポイント】
- インターンでの具体的な役割と課題が明確。
- 課題に対する具体的な行動(データ分析、課題特定、戦略立案、企画提案、実行)が段階的に書かれている。
- 「検索順位平均5位上昇」「PV数20%向上」という定量的な成果を提示。
- 専門ツール(Google Analytics)の使用経験にも触れている。
- 学びと入社後の貢献意欲が結びついている。
まとめ
この記事を要約すると以下の通りになります。
- エントリーシートの自己PRは、“文章だけで自分を伝える力”が求められる。
- 構成・具体性・言葉選びが説得力を生む重要なポイント。
- 特別な経験がなくても、学びと強みを整理し、自分の言葉で伝えることが大切。
- この記事の内容を活かして、あなたらしい自己PRを準備しよう。
エントリーシートでは、面接のような補足ができない分、伝え方ひとつで印象が大きく変わる場面です。
自信の有無に関わらず、自分の強みを「どう伝えるか」をしっかり考え抜くことで、選考通過率も大きく変わってきます。
ぜひこの記事で紹介した型やコツを活かして、あなたの魅力を最大限に伝える自己PRをエントリーシートで表現してくださいね。
人気記事