「学生の未来を切り開くための長期インターンシップにかける想いとは」ー株式会社キュービック

株式会社キュービック

2006年10月に設立された株式会社キュービック(CUEBiC Inc.)は、

「インサイトに挑み、ヒトにたしかな前進を。」をミッションに掲げ、

ヒト起点のマーケティングとデザインを強みに複数のビジネスを展開しています。

比較サイトを中心としたデジタルメディア事業を行っており、

新しい価値を見つける比較サイト『your SELECT.』、

暮らしをおいしく便利にするウォーターサーバーの比較サイト『ミズコム』、

「もっといい求人」を探す人のための転職支援サイト『HOP!ナビ(ホップナビ)』などを運営しています。

直近では、新規事業のインキュベーションにも積極的です。

そんな株式会社キュービック(以下、キュービック)は、

創業当初から長期インターン生とともに働いています。

今回は、キュービックでの長期インターンシップを経て、

現在は社員として、インターン生の採用や育成に携わる阿南様に、

同社の長期インターンシップについてお話を伺ってみました。

長期インターンシップを導入してどれくらいの期間になりますか?

_____今回はお忙しいところお時間をいただきありがとうございます。キュービックで人事を務め、長期インターン生の採用・育成・登用を一貫して担当されている阿南様に、長期インターンシップについて詳しくお聞きしていきたいと思います。本日はよろしくお願いいたします。

阿南氏:こちらこそ、よろしくお願いいたします。

_____それでは、まずキュービックで長期インターンシップを導入した時期はどれくらい前になりますでしょうか?

阿南氏:キュービックでは、2006年の創業時より、ともに会社をつくる仲間として学生を迎えてきました。学生・社会・会社の三方にとってよい取り組みであるという考えから、今日に至るまで推進し続けています。

学生にとっては「仕事や働く人々との交流を通じて、豊かなキャリア観や社会人基礎力をはじめとしたさまざまな能力を早期に培える」、会社にとっては「将来世代の視点を取り込み、ビジネスを柔軟かつ迅速に変化させられる」、社会にとっては「次世代を担う若手人材を育成でき、少子高齢化で労働人口が減少する日本において働き手不足解決の一助となる」など、長期インターンシップはそれぞれにとって良い点があります。

長期インターン生の増加とともに少しずつ仕組みを整えていき、現在の長期インターンシップの基礎となるような制度に至ったのは、2012年4月です。

_____ご丁寧に教えていただきありがとうございます。かなり早いタイミングから長期インターンシップを始めていたのですね。ちなみに現在は社員とインターン生の割合はどのくらいになるのでしょうか?

阿南氏:現在、当社の従業員数約300人のうち100人程度が長期インターンシップの学生です。人数の変動はあるものの、社員とインターン生の割合は大体2:1で推移しています。

_____他の企業さんに比べて長期インターン生の数がとても多いのですね!その分インターン生の研修や育成が大変そうなイメージがあるのですが、貴社ではインターン生の入社時の教育体制としてどのようなものがあるのでしょうか?

阿南:長期インターン生を対象とした入社時の研修として、固定のカリキュラムが3日間ほどありますね。

学生は、入社するとまず人事のもとでビジネスの基礎やスタンスを学びます。その後、各配属先で実践的に業務スキルを習得していくという体制です。

実はこの入社時研修、当初は3か月ほどの期間でした。しかし、学生の限られた出勤時間のなかでより大きな成長を遂げてもらうことを考えると、人事で預かる時間を圧縮し、現場での経験を充実させる方がいいという結論に至り、今の体制になりました。

_____長期インターンシップを運用する中で仕組みがアップデートされて、今のスタイルに行き着いたのですね。ところで、阿南さんのように長期インターンからそのままキュービックへ新卒で入社されるケースはよくあるのでしょうか?

阿南:割合が高いわけではありませんが、1学年40〜50人のインターン生が在籍している中で毎年5〜10人ほどは、新卒として入社します。社内イベントにOB・OGが参加するなど、卒業したインターン生とのつながりもありますね。

_____長期インターンからそのまま入社されたり卒業後も関わりがあるというのは、インターン生の組織に対する思い入れがとても強いのですね!

長期インターン生に、具体的にどういう業務を任せていますか?

_____では、キュービックで働く長期インターン生には具体的にどのような業務を任せているのでしょうか?

阿南氏:学生に任せるのは、“トライアル”ではなく本物の仕事です。社会人の私たちが向き合っている仕事と大きな差はありません。現役世代と将来世代が本気で向き合い、ビジネスを共創する。それが私たちのスタイルです。

キュービックのメインの職種がデジタルマーケターになりますので、自然とインターンも広告運用やメディア運営などのマーケター業務に従事することが多いです。

マーケターに比べると数は少ないですが、デザイナーやエンジニアや人事のポジションもあります。人事部での仕事のひとつであるインターン採用に関しては学生自らが面接官をして活躍してくれています。

_____かなりインターン生の裁量が大きいのですね!ちなみに、貴社で活躍している長期インターン生には何か特徴はあるのでしょうか?

阿南氏:キュービックでは半期に一度、メンバー全員が集まる総会で表彰の場を設けており、インターン生を対象としたものには新人インターン賞、優秀インターン賞、最優秀インターン賞の3つがあります。

受賞者の傾向として「会社作りに対するコミットメントが強い」ということがあるように思います。キュービックでは情報の透明性が高く、インターン生もアクセスできる情報が多くあります。

良い面も悪い面もあわせて会社の情報をキャッチできる環境なんですが、活躍しているインターン生ほどこうした情報に対する感度が高いですね。会社の課題に対しても前向きに捉え、解決するために何をすべきかと考え、何かしらのアクションを起こしています。

_____会社作りとなると、ほぼ経営側の視点を持って考えているような感じになりますよね。

阿南氏:そうですね!経営陣とよくご飯行っているインターン生も少なくありません。経営陣と共にする時間が長ければ長いほど、視座も上がりますし、捉えられる課題も多くなっていくと感じます。

長期インターンシップを通して学生にどんなことを身に着けて社会に出ていってほしいですか?

長期インターン生

_____では、長期インターン生に対して、貴社での業務を通してどのようなことを身に付けていってほしいと考えていますか?

阿南氏:働くことに対してポジティブな感情を持ってほしいです。キュービックの長期インターンシップは、新卒としての登用のためではなく、学生の未来を切り開いていくために行っているものだからこそ、この思いが強いですね。

キュービックでの長期インターンシップを通して、「働くことが楽しい」「ビジネスを通して社会を変えていきたい」などの前向きな感情を持って、積極的に仕事をしていける状態になってほしいと考えています。

_____なるほど、今後何十年も働いていくうえでとても大事な考え方ですね!ちなみに、阿南様は長期インターンの経験から働くことに対する考え方に何か変化はございましたか?

阿南氏:私自身、学生時代は企業に所属して働くことに対し、ネガティブな気持ちが強かったです。しかし、キュービックでのインターンを通して、生き生きと働く社員を身近で見たり、新たな能力をたくさん得られたりするなかで、「働く」ことに対してポジティブな気持ちを持てるようになりました。

「仕事」というのは、1日7-8時間、週5日、人生のかなり長い時間を捧げます。せっかくそれだけの時間を捧げるのならば、もっと価値の高いものを自分の力で作っていきたいと今では思っています。

_____ご丁寧にありがとうございます。長期インターンシップを通じて働くことを前向きにとらえられるようになるというのは、すごく素晴らしいことだと改めて感じます。

阿南氏:そうですね!実際にキュービックでの長期インターンを卒業していく4年生が「就職先でこういうことがしたい」と前向きに話してくれるのは、私自身もすごく嬉しくなります。

これからの会社の目指す方向について

_____最後に、キュービックとしてこれから目指していく方向性について教えてください。

阿南氏:キュービックは今、事業の多角化フェーズに入っています。私たちはこれまでデジタルメディア事業をメインとして売上100億以上を実現してきました。しかし外部環境の変化、プラットフォームの変化によるリスクも想定される中で、事業のポートフォリオを再構築していくことが重要になっています。

そのため、キュービックグループの一つにアンパサンドという新規事業立ち上げを専門とした子会社を作り、イノベーションを推進したり、キュービックのマーケティング技術と親和性のある分野の企業をM&Aでグループジョインしてもらったりしています。

私たちが一番大事だと考えているのは、「小さくてもいいからトライし続ける」ということです。長期インターン生に対しても、キュービックでの経験を通してなるべく自分の殻を破ることができるように、「挑戦していこう」と頻繁に伝えています。

「一つ一つのトライが会社や社会の前進につながる」と挑戦を後押しできるようなコミュニケーションを取ることを心がけていますね。

_____挑戦し続けて、インターン生自身の成長を促し、会社や社会を前進させていきたいということですね!阿南様、本日は貴重なお話を聞かせていただきありがとうございました。