就職活動で避けて通れないSPI試験。特に非言語問題では計算が必要となり、「電卓は使えるの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。
実は、SPIで電卓が使えるかどうかは、受験形式によって大きく異なります。誤った認識のまま試験に臨むと、思わぬ結果を招く可能性もあります。
この記事では、受験形式ごとの電卓使用の可否から、電卓が使える場合の選び方や使い方、そして電卓が使えない場合の効果的な対策まで、詳しく解説していきます。
こんな人に読んで欲しい
- SPIで電卓が使えるのか、使えないのかが分からず、対策に不安を感じている方
- 電卓が使える場合、どんな電卓を選べばいいか、どう使えば効率的なのかを知りたい方
- 電卓が使えない場合、どうやって計算問題を解けばいいか、特に暗算に自信がない方
SPIで電卓は使える?

SPI試験で電卓が使えるかどうかは、受験形式によって大きく異なります。
WebテスティングとインハウスCBTでは電卓の使用が可能ですが、テストセンターとペーパーテスティングでは電卓の使用ができません。
テストセンターやペーパーテスティングなど電卓が使用できない形式では、企業は応募者の純粋な基礎計算能力や、限られた時間の中で複雑な問題を自力で処理する思考力、集中力、そしてプレッシャー耐性を評価したいと考えているからです。
一方、WebテスティングやインハウスCBTは、電卓の使用を前提とした問題が出題されるため、問題の難易度がやや高く設定されています。これらの形式では、電卓をいかに効率的かつ正確に使いこなして複雑な問題を処理できるかという応用力が問われます。
Webテスト・インハウスCBTは電卓OK
WebテスティングとインハウスCBTでは、電卓の使用が可能です。
- Webテスティング:企業から送られるURLを使って自宅のパソコンで受験する形式
- インハウスCBT:応募先の企業で用意されたパソコンを使って受験する方式
これらの形式では、電卓の使用を前提とした問題が出題されるため、計算ミスを防ぎ、効率的に問題を解くために電卓が非常に役立ちます。
電卓が使えるからといって問題が簡単になるわけではなく、むしろ電卓を前提とした複雑な問題が出題される特徴があります。
電卓を使いこなすことで、複雑な計算もスムーズに進められますが、慣れていないと逆に時間がかかってしまうこともあります。学生は、電卓が使えることに安堵するだけでなく、電卓を使った実践的な演習を通じて、その操作スピードと正確性を高める必要性を理解するべきです。
テストセンター・ペーパーテスティングは電卓NG
テストセンターとペーパーテスティングでは、電卓の持ち込み・使用は禁止されています。
- テストセンター:専用の会場でパソコンを使って受験する形式
- ペーパーテスティング:企業が指定した会場でマークシート形式で受験する形式
これらの形式では、電卓や携帯電話、時計、筆記用具などの私物の持ち込みはできません。
テストセンターでは、会場で筆記用具とメモ用紙が貸与されますので、それらを使って計算問題を解くことになります。桁数の多い計算も出題されるため、計算のスピードが非常に重要になります。
SPIで電卓を使う問題例
では、SPIの問題を、電卓を使って実際に解いてみましょう。
割合
【設問】
あるジムでは月会費を20%値上げした。すると、会員数が10%減少したが、全体の収入は増加した。収入は何%増加したか。ただし、小数点第2位以下は四捨五入せよ。
【選択肢】
ア.1.0%
イ.5.0%
ウ.8.0%
エ.10.0%
月会費を20%値上げしたので、1人あたりの収入はもとの1.20倍 になります。一方で、会員数が10%減ったため、人数はもとの 0.90倍になります。
全体の収入は「単価 × 数量」で求められるので、 1.20×0.90=1.08
つまり、収入は元の 1.08倍、すなわち 8%増加したことになります。よって答えはウとなります。
金額計算
【設問】
A、B、Cの3人でタクシーに乗り、空港まで向かった。タクシー代は合計で6600円で、さらに有料道路の料金として600円がかかった。これらをすべてAが立て替えて支払った。3人の負担額が均等になるようにするには、BとCはAに1人あたりいくら支払えばよいか。
【選択肢】
ア.2200
イ.2400
ウ.2800
エ.1800
オ.2600
カ.AからEのいずれでもない
金額計算は表や図を作成して、問題文の情報を整理しながら解いていきます。
合計費用は6600円+600円=7200円。1人あたりの金額を求めるには3で割る必要があるので7200 ÷ 3 = 2400円。
Aが全額払ったので、BとCはそれぞれ 2400円 支払えばよい。よって答えはイとなります。
場合の数
【設問】
A、B、C の3人が、1〜3の番号がついたイスに座る。
このとき、3人の座り方は何通りあるか。
1つのイスに1人ずつ座るとき、最初のイスには 3人のうち誰でも座れるので 3通り、次のイスには残りの 2人から選べるので 2通り、最後のイスには残った 1人が座るので 1通りです。
よって、全部で 3×2×1=6通り3 × 2 × 1 = 6通り3×2×1=6通りになります。
電卓なしのSPIを解くポイント
電卓が使えないSPIでは、暗算力と筆算のスピード、そして効率的な計算用紙の活用が合否を分けます。
電卓なしで解くためには、普段から暗算の練習を取り入れ、複雑な計算は筆算で素早く処理する訓練が必要です。また、テストセンターでは計算用紙が貸与されるため、この用紙をどのように効率的に使うかも重要なポイントになります。
筆算を素早く行う
テストセンターで貸与される計算用紙を使い、筆算を素早く正確に行う練習が不可欠です。複雑な計算は暗算だけでは難しく、筆算を効率的に行うスキルが求められるからです。
例えば、分数の計算では通分や約分を素早く行い、小数点の計算では桁数を意識して正確に計算する訓練が大切です。計算過程をきれいに書くことで、見直しもしやすくなり、ミスに気づきやすくなります。
問題に慣れるためには、実際にSPIを解くことが最重要です。SPI対策模試は、無料で、すきま時間にさくっと模試が受けることができるのでおすすめです。
電卓選びと使い方
電卓が使えるSPIでは、自分に合った電卓を選び、その機能を使いこなす練習が重要です。
電卓を選ぶ際は、使いこなせる機能のものを選びましょう。関数電卓のように多機能すぎると、かえって操作に時間がかかったり、ボタンが小さくて押しにくく感じたりすることもあります。
また、手のサイズに合った、押しやすいボタンの電卓を選ぶのもポイントです。
便利な電卓機能
SPIでは、電卓のAC/Cキー、パーセント(%)キー、ルート(√)キー、メモリー機能などを有効に活用しましょう。これらの機能によって、SPIの非言語問題で頻繁に使う計算を効率化し、解答時間を大幅に短縮することができます。

ACきー・Cキー
ACキーは全ての計算内容を消去し、Cキーは直前に入力した数字のみを消去することができます。
キーは入力数字を1文字ずつ修正できるため、入力ミスを素早く修正できます。
%(パーセント)
パーセントの割合を計算する問題の場合に、「%」のキーを使用することで素早く計算することができます。
例えば「1200の25%」を計算する際に、1200 × 25 % と入力するだけで答えが出ます。
√(ルート)
√機能を使うことで、平方根の計算を簡単に行うことができます。例えば、面積から一辺の長さを求める問題などで役立ちます。
F・CUT・5/4(ラウンドセレクター)
小数点以下の処理方法(切り捨て、四捨五入など)を設定できる機能です。SPIでは小数点以下の処理が求められる場合があるため、正確な解答を導くのに役立ちます。
「F」 | 電卓に表示可能な小数点以下の数字を全表示することができる機能 |
「CUT」 | 小数点以下を指定した桁数まで表示し、その他の数字は切り捨てる機能 |
「5/4」 | 小数点以下を指定する桁数まで四捨五入できる機能 |
M+・M-・RM・CM(メモリー機能)
メモリー機能は、複数の計算結果を一時的に保存し、後で呼び出して合計したり、引き算したりできる機能です。M+ は加算、M- は減算、RM は呼び出し、CM はリセットの役割を持っています。
たとえば、合計を順番に足しながら記録したい場合に、次のように使います。
- まず「1,000」と入力し、M+ を押します。これでメモリーに1,000が保存されます。
- 次に「500」と入力し、再び M+ を押します。メモリーには1,000 + 500 = 1,500 がたまっています。
- 次に「200」と入力し、M- を押します。すると、メモリーから200が引かれ、1,500 – 200 = 1,300 になります。
- 今、メモリーにいくらあるか確認したいときは、RM(リコールメモリー) を押します。すると、画面に「1,300」と表示されます。
- 最後に計算が終わったら、CM(クリアメモリー) を押してメモリーをリセットします。これでメモリーの中はゼロになり、次の計算に備えられます。
電卓操作の練習法
電卓を使いこなすことで、解答時間を短縮し、見直しや難しい問題に時間を割けるようになります。
SPIの過去問や問題集を解く際に、実際に使う電卓を使って練習しましょう。最初はゆっくりでも、徐々にスピードを上げて指が自然に動くようになるまで練習を繰り返すことが重要です。
特に、「ミスをしやすい操作」はメモ用紙に書き出しながら、重点的に練習するのも効果的です。例えば、小数点の入力ミスや、複数の計算を連続して行う際のキー入力の流れなどを確認しましょう。
SPI対策と並行してすべきこと
就活は、SPI対策以外にもすべきことがたくさんあります。SPI対策と並行して、以下のことを進めましょう。
自己分析
SPIの対策と並行して自己分析を進めることで、自身の強みや弱みを明確にし、面接でのアピールポイントを見つけることができます。特に、SPIの性格検査では、自己理解が深まっていると、より一貫性のある回答ができ、企業が求める人物像とのマッチ度を測りやすくなります。
自己分析の仕方が分からないという人は、テンプレート化された「自己分析シート」を利用するのがおすすめです。
ES対策
SPI対策と同様に、就職活動ではES作成にも膨大な時間がかかりますよね。そんなときは、AIツールを賢く活用し、捻出した時間で企業研究や面接対策など、より重要な活動に集中しましょう。
就活生は、平均してES1枚に4時間もかけており、複数社へのエントリーは大きな負担です。ここで時間を短縮できれば、就活全体の質を向上させることができます。
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面接対策
ES対策やWebテストの対策以上に大事なのが、面接対策です。
ESやWebテストに合格したとしても、面接で自分の強みやガクチカ、志望動機について説得力をもって話せなければ、内定をつかむことは難しいです。
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SPIで電卓を使う際の注意点
SPI試験における電卓の使用ルールを厳守し、不正行為は絶対に避けましょう。不正行為が発覚した場合、試験が無効になるだけでなく、その企業の選考を辞退させられたり、他の企業にも情報が共有されたりするなど、今後の就職活動に深刻な悪影響を及ぼす可能性があるからです。
テストセンターや企業会場での電卓持ち込みは不正行為とみなされます。スマートフォンの電卓機能も使用不可です。不正がバレる可能性は高く、担当者が厳しくチェックしています。
持ち込み禁止物
試験前に必ず持ち込み禁止物を確認し、不要なものは持っていかないようにしましょう。会場に行くまでに携帯電話や時計を使用することは問題ありませんが、試験中は使用が認められていません。
テストセンターでは、公平な試験環境を保ち不正行為を防ぐために、以下の持ち込みが禁止されています。
- 電卓
- 携帯電話
- 時計
- 筆記用具
試験会場には、身分証以外は基本的に私物を持ち込めません。筆記用具やメモ用紙は会場で貸与されます。
携帯電話や電子辞書などの計算機能を備えた機械、腕時計なども禁止されています。これは、辞書や計算機能による不正を防ぐため、また時計による時間管理を不要にするためです。
まとめ
最後まで読んでいただきありがとうございます。この記事の内容をまとめると以下のようになります。
- SPIでの電卓使用は受験形式によって異なるため、事前に確認が必須
- 電卓が使える場合は効率的な操作を、使えない場合は暗算と筆算の練習を徹底しよう
- SmartESなどのツールも活用して効率的に就活を進めよう
SPIにおける電卓の扱いは受験形式によって大きく異なります。自身の受験形式を正確に把握し、それに合わせた適切な対策を行うことが、SPI突破の鍵となります。
WebテスティングやインハウスCBTでは電卓を有効活用し、操作スピードと正確性を高める練習をしましょう。テストセンターやペーパーテスティングでは、暗算力と筆算のスピードを徹底的に鍛えることが重要です。
また、SPI体験模試など実践的な問題に慣れることで、本番を意識して勉強することができますよ。
この記事が、少しでも皆さんのお役に立てば幸いです。
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