就活を行なっている方の中には、ディベートの面接を控えている方も多いのではないでしょうか?対策を行なっていたとしても、「ディベートでどのようなお題に沿って話すのだろう」「ディベートでは何が重要視されているのだろう」と悩んでしまいがちですよね。
そこで本記事では、ディベートで頻出なお題やディベートで企業が重視しているポイントを徹底解説していきます。
記事の最後では、どのようなディベートのお題が出題されても対応する方法も紹介していますので、ぜひ最後までご覧ください。
こんな人に読んでほしい
- ディベートの選考を控えている方
- ディベートの選考で企業がみているポイントを知りたい方
- ディベートで頻出のお題を知りたい方
ディベートって何?
ディベートと聞いて、あまりしっくりこない人も多いのではないでしょうか。ディベートの選考を受ける上で、ディベートの形を知っておくことは非常に重要です。
ディベートの選考方法をしっかりと理解して本番に臨みましょう。ここでは、ディベートの特徴について解説していきます。
グループディスカッションの一種
ディベートはグループディスカッションの中の一種であり、選考で実施されることがあります。
グループディスカッションというのはお題が1つ決められ、そのお題に対して複数のグループを形成し、グループ内で意見を出し合うという形をとることが多いです。
2グループに分かれる
ディベートは、2つのグループが相手を説得する形で討論し、最終的に「どちらの意見に説得力があったか」を判断します。
判断をするのは、第三者にあたる採用担当者が担う場合もあれば、ディべートをした学生全員が1つの結論を導き出す場合もあります。判断を行う第三者に関しては、企業によって異なっています。
ディベートでは、相手の発言を論破したり、相手よりもたくさんの意見を出せば良いというわけではありません。最終的な着地点は、相手グループに勝つことではなく両グループの意見を1つにまとめて結論を出すことであると覚えておくと良いでしょう。
選考でディベートが実施されている理由
ディベートは1次面接や2次面接で実施されるケースが一般的です。ディベートでは、1度の実施で多くの応募者を評価することができます。そのため、志望者を絞り込む必要のある1次面接や2次面接などの序盤の選考で実施されることが多いです。
ディベートが選考で実施されている企業は少なくないため、そういった企業に応募する方は次の選考に進めるようにディベートの対策をしっかりと行う必要があります。
ディベートの流れとは?
ディベートでの選考を控えている方は、ディベートの大まかな流れを頭に入れとおくと良いでしょう。ディベートの流れを理解しておけば、当日慌てることなく討論に集中することができます。
お題に対してグループ分け
ディベートでは、まず与えられたお題に対して「賛成」「反対」などの意見を出したうえで、対立する2つのグループに分かれます。
2択で意見を出し合うディベートでは、チーム分けは非常に重要な要素です。自分が納得していない方のチームに入ってしまった場合、説得力を持たせた話を展開していくことは難しい場合があります。そのため、ある程度意見をまとめて、自分が入るチームを選ぶようにしましょう。
ただし、ディベートの立場を自分で選べないケースもあります。そういった場合、お題に対して自分なりの意見があった場合でも、試験では逆の立場から意見を主張しなければなりません。
どちらの立場になっても対応できるように、日頃から物事をさまざまな視点から考えるようにしましょう。
自分のグループの意見を主張する
グループ分けが終わってチーム内で意見をすり合わせたら、自分の属するグループの意見を主張します。グループの意見を主張する際には、制限時間を超えてしまわないように、時間に注意しながら進めましょう。
ディベートには勝ち負けがないと冒頭で述べましたが、勝ち負けにあまりにもこだわりがないと相手に意見を譲ってばかりになり、議論が盛り上がらなくなってしまいます。全員が納得できる結論にまとめるためには、さまざまな意見を主張することが重要です。
議論を行う上で、最も気を付けるべきことは論理的であることです。「頭ではわかっていても、ヒートアップしてしまい感情的になってしまった」という反省の声もよく聞くので、冷静に議論を行うということを常に意識するようにしましょう。
グループの意見をまとめて結論に繋げる
ディベートの最終的なゴールは、2つのグループの意見を踏まえたうえで1つの結論を導き出すことです。制限時間の後半になったら、「2つのグループの意見のうちどちらを結論とするのか」をまとめる話し合いに移るようにしましょう。
ディベートが盛り上がっていても、制限時間内に意見がまとまらなければ評価が下がってしまうので注意が必要です。また、「どちらの意見も正しいと思います」とはっきりしない答えを結論としてしまうと、意見がまとまらなかったと判断される恐れがあるので注意しましょう。
ディベートを上手にまとめるコツは、相手の主張を踏まえつつ論理的に結論に繋げることです。相手の意見を受け入れたからといって選考に落ちるわけではありません。結論がすべてではなく、議論中の参加態度や発言も評価されていることを覚えておきましょう。
ディベートで企業が重視するポイントと頻出のお題
企業がディベートで、どのようなポイントを重視しているのか気になりますよね。選考でディベートを行う上で、企業は3つのポイントを重視しています。
ここでは、企業が重視する3つのポイントについて解説していきます。
論理的思考力があるか
ディベートでは「論理的思考力」が評価ポイントとして設けられていることが多いです。論理的思考は、ビジネスにおける話し合いの場で必須のスキルです。お題をしっかりと理解し、根拠のある論理的な意見を持つことができているかどうかが見られています。
自分たちの意見に説得力を持たせるためには、「どのような根拠からその答えを導き出したのか」という論理的思考が必要になります。
ディベートで意見を述べる際には、「なんとなくこう考えた」といったふわっとした意見の持ち方ではなく、順序立てて論理的に説明することを意識するようにしましょう。
協調性があるか
協調性も、ビジネスにおいて重要なスキルの1つです。就職後は職場内の人だけでなく、取引先や顧客などと議論をする機会が多くあります。そのような場面では、良い関係性を保つために協調性が必要になるため、採用担当者は「協調性があるかどうか」をディベートで判断しようと考えています。
ディベート中に相手の話を遮ったり、感情にまかせて話してしまうと、採用担当者から協調性がないと判断されてしまう恐れがあります。
ディベートでは同じチーム内で意見を積極的に交換しあったり、他の人の意見をサポートしようとする姿勢をアピールしましょう。
積極性があるか
自分から主体的にディベートに参加しているかという積極性も重視されています。ディベートに参加する際、「自分からは何も発言しなくていい」と他人任せになってしまうと、主体性がないと判断されてしまう恐れがあります。
主体性が備わっている人は率先して物事に取り組めたり、問題を自分ごととして捉えて行動することができるため、多くの企業がそういった人材を採用したいと考えています。
しっかりと自分の意見を持つことを意識しましょう。積極的に自分から発言することを心がけると、主体性を効果的にアピールすることができます。
ディベートで頻出の3つのお題
就活におけるディベートの概要がつかめたら、実際にディベートで頻出の3つのお題を頭に入れましょう。
ディベートのお題は企業によってさまざまですが、傾向を調べていくとお題は3つに部類することができます。ここで紹介する3つのお題を押さえれば、スムーズにディベート対策を進めることができます。
政策論題型
政策論題型のディベートは、実際にある政策や制度に対して「必要かどうか」を議論するものです。
日本の問題や現状を取り上げ、色々な法案等を議論します。中には、実際に存在しない政策や制度が出題される場合もあります。「どうしてその政策が重要なのか」「なぜ問題があるのか」などを積極的に議論することで結論を導き出すことができます。
政策論題型のディベートは、3つのお題の中では比較的議論がしやすい傾向にあります。ただし、法律や制度についての知識や理解が求められます。そのため、日頃からニュースをチェックして、社会の情勢や動向を理解することが重要になってきます。
推定論題型
推定論題型のディベートのお題には明確な正解がないケースが多くあります。推定論題型のディベートは、特定の事象に対して「それは事実なのか」「どちらが正しいのか」などを議論するものです。
具体的には「宇宙人は存在するのか」「ペットは幸せなのか」などのように、2つの意見に根拠をもたせるのが難しいお題から、最終的に意見をまとめるのが難しいお題もあります。そのため、3つのお題の中での難易度ではちょうど中間にあたるものとなります。
自由に議論できるお題である一方で、議論する内容が非常に多岐にわたる場合が多いため、簡単に結論を導き出すのが難しいといった側面を持っています。
推定論題型のディベートのポイントは、さまざまなパターンの情報を組み合わせて結論を導き出すことです。発想の豊かさも重要であるため、日頃から本を読んだり、さまざまな映像を見るなどして想像力を養うと良いでしょう。
価値論題型
価値論題型のディベートは、異なる2つの価値観を比較して議論するものです。価値観は人によって異なるため、このお題に関しては「どちらが良いのか」を明確に決めることはできません。
そのため、結論を導き出すことが難しく、3つのお題の中では特に難易度が高い傾向にあります。具体的には「人間は心と見た目、どちらで判断すべきか」「住むなら都会か地方か」などのお題があります。個人的な価値観は反映させずに価値観の高低や善悪を討論する必要があります。
価値論題は論点がぼんやりしやすいため、 議論を成立させることが非常に難しくなります。そのため、価値論題型ではお題の定義や判断基準を決め、タイムキーピングをしっかりおこなったりと議論の土台を作っておくことがポイントとなります。
抽象的なお題から自分の考えを言葉にするのは非常に難しいですが、それをあえて掘り下げて、自分の意見として言葉にする必要があります。
ディベートのお題の意図と具体例
ここでは、ディベートで頻出なお題の具体例と企業の重視しているポイントを紹介します。実際に、練習としてそれぞれのお題に対して自分の意見をまとめてみるとディベートの雰囲気を掴むことができるかもしれません。
政策論題型
企業は学生が日頃からニュースをチェックし、自分なりの意見を持っているかというところを重要な評価ポイントにしています。政策論題をお題にする企業は、社会情勢やニュースに興味を持っており、それらに対して意見を持っている人材を求めています。
代表的な業界として、IT業界やコンサル業界などが挙げられます。日々進化を続けるIT業界や、相手の課題を理解し改善策を提案するコンサル業界では、自分の周りの状況や社会の変化に敏感に反応し、対応する能力が求められるからです。
最近のニュースに興味を持ち、日ごろからアンテナを張っておきましょう。
【具体例】
- 小中学校の授業を完全週休3日制にするべきか。
- 英語教育を小学校1年生から必修化するべきか。
- 学生ローンの返済を免除する制度を導入するべきか。
- 日本の大学入試を一括試験ではなく、総合評価型に変更すべきか。
- 生活保護受給条件を緩和するべきか。
- 子どもの貧困対策として、給食を完全無料化するべきか。
- 最低賃金を全国一律で1500円に引き上げるべきか。
- 中小企業への減税政策をさらに拡充するべきか。
- 脱炭素社会の実現のために2030年までにガソリン車を完全廃止するべきか。
- プラスチックごみの削減を義務化するべきか。
推定論題型
推定論題型のディベートで必要なのは論理性で、ほかの2つの論題よりも特に重視されます。相手側と自分の意見は対極にあるため、相手を説得させ、結論を出す必要があります。
また、テーマの自由度が高いため、物事を多角的に捉えたり、柔軟な発想力が求められます。推定論題型は答えが明確にあるお題ではないため、相手を言い負かすのではなく冷静な対応が評価されます。
【具体例】
- 日本の高度経済成長は政府の政策が主な原因であったか。
- 江戸時代の鎖国政策は日本の文化発展に寄与したか。
- 少子化の主な原因は経済的不安であるか。
- 日本における格差の拡大はグローバル化の影響によるものか。
- 都市部の犯罪率増加は人口密度が直接の要因であるか。
- 10年後にはAIが大半の仕事を代替しているか。
- 日本は今世紀末までに人口が1億人を割り込むか。
- 再生可能エネルギーが化石燃料を完全に置き換える日は来るか。
- 地球温暖化の進行は今後50年で加速するか。
- 火星への有人飛行は2030年までに実現するか。
価値論題型
コンサル要素のある業界や職種では、抽象的な事象をうまく言語化する能力が求められます。人材サービスやITなど、無形のものが商材となる業界でも同じく重要視されている能力です。
価値論題型のお題は、それぞれ扱うテーマが曖昧であるため、根拠などが抽象的になりやすい傾向にあります。
そのため、こういった企業では言語化する能力を測ることのできる価値論題型のディベートが取り入れられています。
自分の考えを具体的に言語化することができるのか、というところを企業は判断しています。
【具体例】
- 高校で制服を義務化するべきか。
- 学力よりも人格形成を重視すべきか。
- 部活動は教育において必要不可欠な要素か。
- 大学教育は無料化するべきか。
- 伝統文化は現代社会で守る価値があるか。
- 都会の生活と地方の生活のどちらが幸福につながるか。
- 芸術に対する公的資金の投入は正当か。
- 動物実験は倫理的に許容されるか。
- 死刑制度は社会正義にかなうか。
- 安楽死は人間の権利として認められるべきか。
ディベートでどんなお題にも対応する秘訣
実際の選考では、どのようなお題についてディベートを行うのか当日までわかりません。
ここでは、どんなお題でも対応する秘訣について紹介します。ディベートのコツを掴むことで、実際の選考でどんなどんなお題がきても柔軟に対応することができるようになります。
お題に対して賛成と反対の両方の意見を持つ
ディベートを行う際に、相手の意見に反論する必要があります。事前にお題に対して賛成・反対の両方の意見を考えておくと、相手の主張を予測しやすくなり、迅速かつ的確に対応することができます。
さらに、自分が支持する立場に反する意見を考えておくと、その立場の弱点や反論されやすいポイントに気づくことができます。これにより、自分の意見を補強したり、より効果的な論拠を見つけたりすることができます。
どのようなお題でも、賛成と反対の両方の意見を持ち、相手からの反論に備えられるようにしましょう。
ディベートの対策を行い本番に慣れる
実際にディベートの対策を行うことで、どのようなお題が出題されても対応することができます。問題や事象を11つ取り上げて、それに対する自分の意見を考えてみると良い練習になるでしょう。
もし、練習してくれる相手が必要な場合は家族などにお願いして相手をしてもらうことも効果的です。近くに練習に付き合ってくれる相手がいない場合は、キャリアアドバイザーに相談してみましょう。
ディベートに関して聞きたいことがある方や自分に合った対策の方法をが知りたいという方も多いのではないでしょうか。
キャリアアドバイザーは、就活全般の不安や悩みに関して、相談にのってくれます。また、キャリアアドバイザーは就活を希望する全ての学生を支援してくれます。
ぜひ一度キャリアアドバイザーに相談してみてはいかがでしょうか。
まとめ
- ディベートはグループディスカッションの一種で、選考の早い段階で実施される
- 企業は論理的思考力、協調性、積極性があるかをディベートの選考を通して判断している
- ディベートの頻出のお題は大きく3つに分類される
- どのようなお題にも対応するには、実際にディベートを行うと良い
本記事では、ディベートを行う上でのポイントや頻出なお題について解説してきました。ディベートの回答に明確な正解はないため、どんな対策を行い、本番でどう行動すればいいのか悩むこともあるでしょう。
ですが、しっかりと対策を行えば、本番にどんなお題が出題されても柔軟に対応することができます。
本番で自分の意見をしっかりと述べることができるように、普段からニュースをチェックするなどして今からできる対策を着実に進め、選考を突破できるようにしましょう。
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