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問題
現代社会において、照明は私たちの生活に欠かせないものだ。夜間の活動を可能にし、安全性を提供してくれる。しかし、人工的な光の過剰な使用は、私たち自身の[ ]に影響を与えかねないという問題も指摘されている。本来、人間の体は太陽光に合わせて覚醒と睡眠を繰り返すようにプログラムされているが、夜間の強い光は、この自然なリズムを乱してしまう。【A】その結果、睡眠の質の低下や、それに伴う様々な健康問題を引き起こす可能性がある。【B】これは、人間だけに限ったことではない。夜行性の動物の行動パターンが変化したり、渡り鳥が光に惑わされて飛行ルートを外れたりする現象も報告されている。【C】テクノロジーの進化は、私たちの生活を豊かにしたが、それと同時に自然との調和をどう保つかという新たな課題を提起している。【D】
問1 文中の空欄に入る語句を、文中から5文字以内で抜き出しなさい。
問2 次の1文を挿入するのに最も適切な場所を、文中の【A】から【D】から選びなさい。
また、街の光は、遠くにいる星の光をかき消し、天体観測を困難にしている。
問3 文中で述べられていることと合致するのは、次のうちどれか。
A. 人工的な光は、夜行性動物の行動をより活発にする。
B. 人間の体は、人工的な光に完全に順応している。
C. 人工的な光の普及は、自然との調和をどう保つかという課題をもたらしている。
D. 人工的な光は、天体観測を容易にしている。
答え:
問1:体内時計
問2:C
問3:C
解説
問1
文章の空欄の後に、「人間の体は太陽光に合わせて覚醒と睡眠を繰り返すようにプログラムされているが、夜間の強い光は、この自然なリズムを乱してしまう」とあります。この文脈から、この「自然なリズム」を具体的に示す言葉として、体内の時間を司る「体内時計」が最も適切です。
問2
挿入する文は「また、街の光は、遠くにいる星の光をかき消し、天体観測を困難にしている」とあり、「また」という接続詞で、これまでの議論(人間や動物への影響)に加えて、別の問題点(天体観測への影響)を提示しています。
これは【B】の後の、人間以外の動物への影響に言及した文の直後に続くことで、人工光が与える幅広い負の影響をさらに強調する役割を果たします。
問3
文章全体を通じて、人工的な光の普及がもたらす問題点を指摘し、最終的に「自然との調和をどう保つかという新たな課題を提起している」と結論づけています。
「過剰な使用は、私たち自身の体内時計に影響を与えかねない」
「睡眠の質の低下や、それに伴う様々な健康問題を引き起こす可能性がある」
「夜行性の動物の行動パターンが変化したり、渡り鳥が光に惑わされたりする」
これらの記述は、選択肢Cの「人工的な光の普及は、自然との調和をどう保つかという課題をもたらしている」と完全に合致します。
他の選択肢は以下の理由で誤りです。
A:文章では「行動パターンが変化したり」とあるだけで、必ずしも「より活発になる」とは述べられていません。
B:夜間の光が「自然なリズムを乱してしまう」とあるため、完全に順応しているわけではないとわかります。
D:星の光をかき消し、天体観測を「困難にしている」とあるため、間違いです。