TOEICって何点からすごいの?企業別にアピールできる基準を徹底解説!

就活を進めていく中で、TOEICの点数が気になってくる学生さんも多いでしょう。

「TOEICを受けてみたけど、実際何点からすごいのか分からない」「自分のTOEICの点数が評価されるか知りたい」。あるいは、まだTOEICを受けたことがなく、何点からすごいのか目指すべき基準を知りたいという方もいるかもしれません。

実は、TOEICが何点からすごいかは企業によって大きく異なります。また、ただTOEICの点数が高いだけでは「すごい」と思われない場合もあるのです。

本記事では、TOEICが何点からすごいと評価されるかという目安を企業別に解説していきます。さらに、就活においてTOEICの点数が求められる具体的な場面と、そこで「すごい」と思われるためのポイントを例文を含めて解説していきます。

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そもそもTOEICとは

まず初めに、そもそもTOEICは何か、点数はどのように決まるのかを確認しておきましょう。

TOEICは、リスニング・リーディングの2セクションから構成される国際的な英語検定であり、次のような特徴を持っています。

  • 点数は10〜990点
  • 5点刻みで表示される
  • 正答数に基づく換算点

TOEICの点数は「1問5点」など単純な合計点によって決まるのではなく、正答数をもとに統計的に計算されます。詳細な換算方法は非公開ですが、基本的に正答数が多ければスコアは高くなります。

TOEICは何点からすごいの?

先ほど述べた通り、TOEICが何点からすごいと思われるかは、企業やTOEICの点数をアピールする場面によって異なります。しかし、一般的に「この点数からすごい」という共通認識が存在していることも事実です。

ここでは、TOEICは基本的に何点からすごいと思われるのかという目安と、履歴書に書く場合の基準を解説します。

一般的に700点からすごい

多くの人がTOEIC700点以上を高スコアと認識します。この理由は、700点というスコアが日本人の平均以上の英語力を持っていることを示すからです。

TOEICを運営する国際ビジネスコミュニケーション協会によると、受験者の平均点は毎年610点前後になっています。そのため、平均点を余裕を持って上回る700点以上がTOEICにおいて「すごい」と思われる1つの基準になるでしょう。

TOEIC700点以上は、受験者の上位30%に該当します。この水準に達している人材は、日本国内ではまだ希少性があるため、特に英語を重視する企業から評価される可能性があります。

TOEICは何点から履歴書に書ける?

一方で、「履歴書に書けるスコア」として認知される基準は600点程度とされています。この理由は、600点がTOEIC受験者の平均ラインであるからです。

飛び抜けてすごい点数ではありませんが、基礎的な英語力は備わっていると見なされますし、英語学習に取り組もうとしている姿勢自体が評価される可能性があります。

逆に、平均点を大きく下回る400点以下の場合は、履歴書には書かない方がいいでしょう。基本的な英語力に疑問を持たれるかもしれませんし、「きちんと勉強しなかったのではないか」と疑われてしまう可能性もあります。

企業別!TOEICスコアの求められる基準

TOEICスコアの評価基準は、企業や業界の特性によって大きく異なります。一部の企業では高い英語力が必須とされる一方で、英語の活用頻度が限定的な企業では、スコアが「付加価値」として位置づけられることもあります。

以下に、企業別のスコア基準を詳しく解説します。

総合商社・外資企業:800点以上

総合商社や外資企業では、英語が日常的な業務の中核を担います。具体的には、顧客や同僚が外国人であり、英語での交渉やプレゼンテーションが必要になる場面が想定されます。

そのため、TOEICスコアは800点以上が求められる場合が多いです。

TOEICの運営団体である国際ビジネスコミュニケーション協会によると、TOEIC800点以上は次のような能力を持っているとされます。

  • 難しい話題にもついていける
  • ネイティブスピーカーの域には達していないものの、十分な意思疎通ができる
  • 語彙、文法、構文のいずれも正確に把握し、流暢に使うことができる

しかし、特に外資企業や総合商社ではTOEIC以外の英語試験(IELTSやTOEFL)も併せて評価されるケースがあります。TOEICはあくまでリーディング・リスニング力を測るテストであり、スピーキングやライティング力を実務でどの程度活かせるかは直接計測できないからです。

外資企業や総合商社を目指す方は、TOEICだけでなくIELTSやTOEFLなどの学習も進めておくようにしましょう。TOEICの点数と合わせて、実際の英会話力・英語による文章作成力を証明することで、総合的な英語力をアピールすることができます。

大手メーカー:700点以上

国内外で事業展開を行う大手メーカーでは、TOEICスコア700点以上が目安とされることがあります。ファーストリテイリングやトヨタ自動車、パナソニックなどがその一例です。

国際ビジネスコミュニケーション協会によると、このTOEIC700点以上は次のような能力を持っているとされます。

  • 通常の会話は完全に理解でき、反応も早い
  • 難しい話題にはついていけないことがある
  • 文法上のミスをすることもあるが、意思疎通を妨げるほどではない

以上の説明を聞いて、「メーカーに行きたいけどTOEICで700点も取れない…」と不安になってしまった方もいるかもしれません。ここで注意していただきたいのが、「TOEICの求められ方」は企業ごと大きく異なるということです。

例えば、TOEICの点数を「応募条件」としている企業もあれば、「歓迎条件」としている企業もいます。前者は「その点数が取れていないとエントリーすらできない」という意味であり、後者は「TOEICの点数が高ければプラスで評価するが、なくてもエントリーはできる」ということを意味しています。また、海外担当部門など特定の職種にだけ英語力の応募条件を設けている企業もあります。

大手メーカーではグローバル人材が評価される傾向にありますが、全てのメーカーが「TOEICを応募条件にしている」というわけではありません。メーカー志望の場合は、自分の行きたい企業がどの程度TOEICを求めているのかをチェックするようにしましょう。

多くの日系企業:500~600点台

多くの日系企業では、英語が業務の中心でない場合でも、TOEICスコア500~600点台が「基礎的な英語力の証明」として評価されます。

国際ビジネスコミュニケーション協会によると、このレベルでは次のような能力が期待されます。

  • 普通の会話であれば要点を理解し、応答できる
  • 難しい話題においては的確な対応ができない
  • 基本的な文法や構文は身についている
  • 表現力不足な面もあるが、自分の意思を伝える下地は備わっている

中には、入社後に英語力をさらに伸ばすことを前提とし、500点台のスコアであれば十分とする企業もあります。

TOEICの点数を求められる5つのタイミング

ここまでの説明を通して、TOEICは何点からすごいと思われるのか具体的な基準が分かったと思います。

しかし、実際、TOEICの点数はどのようなタイミングで必要になるのでしょうか?ここからは、TOEICの点数が役に立つ具体的な場面を紹介していきます。

1. ガクチカとしてアピールする

TOEICは、ガクチカ(学生時代に力を入れたこと)のエピソードとしても使うことができます。例えば、短期間で大幅にスコアを向上させた経験や、TOEICの勉強を通じて培った計画性や粘り強さは、自己PRとして説得力があります。

TOEICを活用したガクチカの具体的な書き方は、次の記事を参考にしてください。

2. エントリーシートの設問として記入する

エントリーシート(ES)において、TOEICスコアを問う設問が設けられている企業は少なくありません。

特に、海外展開を重視する企業や英語を業務で活用する可能性がある職種では、TOEICスコアが評価ポイントとなることがあります。

3. 応募条件として指定されている

グローバル企業や外資系企業の中には、TOEICスコアを応募資格として明記しているケースがあります。例えば、「TOEIC750点以上」や「800点以上」が応募要件となっている場合、その基準を満たしていないと書類選考で不利になる可能性があります。

こうした要件が設定される背景には、入社後の業務に必要な最低限の英語力を保証する狙いがあります。志望企業がTOEICの点数を応募条件としていないかどうか必ず確認し、早めに対策を始めましょう。

4. 内定後に課題として出される

一部の企業では、内定者に対して入社前の課題としてTOEICスコア目標を設定するケースがあります。例えば、楽天は「入社までにTOEIC800点以上を取得すること」が必須条件となっています。

しかし、あくまで「内定後に取得すればOK」とされているなら、選考時にTOEICの点数が低かったとしてもマイナス評価になることはありません。

5. 昇進や社内公募の条件になる

就職後も、TOEICスコアはキャリアアップの場面で求められることがあります。例えば、昇進試験や海外駐在員の選考では、TOEICスコアが一つの評価基準として活用されることがあります。

実際、国際ビジネスコミュニケーション協会によると、TOEICのスコアを昇進の条件として採用している・採用しようとしている企業の割合は40%にのぼります。

TOEICが就活で重視される理由とは

TOEIC特に日本や韓国で知名度が高く、多くの人が受験しています。日本においては、就活や転職、昇進などの場面でTOEICの点数が重視されることが多いです。

TOEICの点数が就活で重視される理由は、英語力の客観的な証明になるからです。

TOEICは日本において広く認知されており、スコアを見るだけでその人の英語力を簡単に判断できます。面接やES(エントリーシート)では主観的な要素が絡む一方、TOEICスコアは誰が見ても同じ基準で評価できます。これは企業にとって公平かつ効率的な選考材料となります。

また、TOEICは日常英会話だけでなく、ビジネスシーンでの英語力に特化しています。例えば、同僚とのメールのやり取り、会議や顧客との電話などが問題として出題されます。

そのため、TOEICの点数は実用的なリーディング・リスニング能力を示す指標として、グローバル人材を求める企業に重宝されています。

TOEICスコアを就活でアピールする方法

TOEICスコアは、就職活動において英語力を数値で明確に示す指標として有効です。しかし、スコアそのものを単に提示するだけでは、十分なアピールにならない場合もあります。

以下では、TOEICの点数を活用して採用担当者から「すごい」と思われるための効果的なアピール方法について詳しく解説します。

スコアに至るまでの努力を強調する

就活でTOEICの点数をアピールする上では、スコア以上にそのスコアに到達するまでの過程が大切です。

スコアを取得する過程で培った計画性や継続力は、採用担当者にとって重要な評価ポイントになるからです。短期間でスコアを大幅に向上させた経験や、仕事や学業と並行して目標を達成したエピソードを伝えることで、スコアの背景にある努力をアピールできます。

スコアを基にした実績を示す

TOEICスコアを具体的な成果と結びつけることで、説得力が増します。たとえば、「TOEICスコア800点を活かして、ゼミインターンシップで英語を使ったプレゼンテーションを成功させた」などの具体例を挙げると良いでしょう。

スコア以外の英語力を補完する

TOEICはリスニングとリーディングに特化した試験であるため、スピーキングやライティング能力についても補足することで、より総合的な英語力をアピールできます。英語での会話や文書作成の経験を具体的に説明することで、実践的な能力を伝えられます。

第三者からフィードバックをもらう

TOEICの点数を持っている就活生は多く、その中で差別化するのはなかなか難しいものです。そのため、ちゃんと他人に伝わる内容になっているか、第三者から必ずフィードバックをもらうようにしましょう。

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TOEICの点数を就活で効果的にアピールするために、一度はキャリアドバイザーに相談してみましょう。

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TOEICを使ったガクチカの例文

私は大学3年の頃、TOEICスコアを大幅に向上させることに挑戦しました。当時のスコアは500点台でしたが、将来グローバルに活躍できる人材になるため、800点以上を目標に掲げ、学業と並行して取り組みました。具体的には、以下の3つの方法を実践しました。

1つ目は、毎日2時間の学習時間を確保するため、時間管理を徹底したことです。学業やアルバイトの合間を活用し、早朝や通学時間を学習に充てました。2つ目は、自分の弱点を分析し、効率的な対策を行ったことです。模擬試験を毎月実施し、リスニング力不足が課題だと判明したため、英語ニュースを聞き取る訓練を重点的に行いました。3つ目は、学習仲間を募り、モチベーションを維持したことです。友人と定期的に進捗を共有し合い、切磋琢磨できる環境を作り出しました。

これらの取り組みを通じて、6か月で875点を達成しました。この経験から、目標達成に向けた計画力、実行力、自己管理能力を身につけることができました。また、TOEIC学習を通じて英語力を向上させただけでなく、粘り強く努力を続ける姿勢の大切さを学びました。

【体験談】TOEICですごい点数をとる勉強法

最後に、「TOEICガチ勢」だった筆者自身の体験談を紹介します。私は帰国子女でもなく、留学経験もゼロの状態で、TOEIC910点を達成しました。そのときに実践していた勉強法は以下の通りです。

リーディング:ひたすら単語暗記の精度を上げる

TOEICのリーディングにおいて多くの人が苦しむポイントが、「問題文が読み終わらない」ということだと思います。私も初めてTOEICを受けたときは、最後の大問を丸ごと読み終えることができませんでした。

試行錯誤した結果、英文を読むスピードを上げるためには単語暗記が一番だと気付きました。たとえ、どんなに複雑な構文で文法構造が全く分からなかったとしても、単語の意味が完璧に分かれば何となく意味は理解できるものです。逆に、知らない単語につまづいたり、ぼんやりと記憶していた英単語を思い出そうとしている瞬間が一番タイムロスになってしまいます。

そこで、具体的には高校時代に使っていた「システム英単語帳(シス単)」に載っている2000語をひたすら暗記していきました。単語だけみて1秒以内に正確な意味がパッと出てくるレベルを目指し、苦手な単語は5週くらいしたと思います。

結果、英文を読むスピードが圧倒的に早くなり、本番中問題文が読み終わらないということは一切なくなりました。

リスニング:必要な部分だけ聞き取ればいいと割り切る

TOEICのリスニングでは、「全部聞き取ろう」とすることをやめた瞬間に点数が上がっていきました。そもそも、日常会話においても、私たちは相手の会話の一言一句を聞き取っているわけではなく、いくつかのワードから大体の意味を汲み取ってコミュニケーションをしていると思います。

TOEICにおいても、「回答に必要な部分さえ聞こえればいい」と割り切って、重要なポイントに徹底集中することが大切です。例えば、when/where/whoなどの疑問詞は問題にされやすいポイントの1つです。

また、与えられている回答の選択肢から会話の内容を類推することもできます。聞き取れないと思った問題は諦めてスキップし、次の問題の選択肢を先読みしておくのも1つの手です。

実際、TOEICの点数は就活で大活躍しました。私の場合、TOEICを直接ガクチカに使ったわけではありませんが、面接の場で採用担当者の方がTOEICの点数を目に留めて深掘りの質問をしてくれたこともありました。

TOEICの学習は結局地道な反復の繰り返しですが、逆に努力さえすれば結果は必ずついてくると思います。「帰国子女じゃないから」「留学経験がないから」といった引け目を感じることなく、まずは挑戦してみてほしいです!

まとめ

本記事の内容は以下の通りになります。

本記事の要約
  • TOEICは何点からすごいかは企業や業界で異なる。
  • 一般的に700点以上が高評価の基準とされる。
  • 総合商社や外資系では800点以上が求められる。
  • 点数だけでなく、その努力過程もアピールに重要。

TOEICスコアは、就活における英語力の客観的な証明として非常に有効です。しかし、スコアそのものが「すごい」と評価される基準は、企業や業界によって異なります。本記事で紹介した基準や活用法を参考に、自分の目指す企業や職種に適した点数を把握し、効率的に学習を進めましょう。

また、スコアだけでなく、その背景にある努力やエピソードをしっかりアピールすることが重要です。TOEICのスコアが具体的な実績や自己成長につながっていることを示せれば、採用担当者からの評価はさらに高まるでしょう。

最後に、TOEICスコアはあくまで1つのツールに過ぎません。他の経験やスキルと組み合わせ、総合的な魅力を伝えることが成功への鍵となります。ぜひTOEICを就活の強力な武器として活用し、自分らしいキャリアを築いてください。

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